最近、ある大企業の幹部と話す機会があった。さまざまな理由から、社名は伏せて仮にA社としておく。しかし話の内容は十分興味深いものだった。この幹部の名を仮にマリーとしておこう。 A社はテストプログラムを実施中で、これがうまくいけば何千台ものデスクトップPCにOpenOffice.orgを導入する予定だ。マリーはユーザーと直接会って話すことが多い。情報が十分でなかったり切り替えについての事前研修が不足しているときは、声を荒らげられることもある。しかしテストプログラムとはそういうものだ。 乗り換えのきっかけ 2年前、A社はいつも通り、Microsoftのライセンスを最新のものに維持する前提で年間予算を立てていた。このプロセスは「True-up」(増加分)と呼ばれる。この増加分を見て、CFOが目をむいた。 Microsoft Officeのコストがそれほどかさんだ一因は、Officeを使うと想定され