4月、アジア訪問中のオバマ米大統領がクアラルンプール近郊のプトラジャヤにてマレーシアのナジブ首相と会談し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結を目指すことが確認されたが、その具体策は先送りとなった。 米国にとって東南アジア諸国連合(ASEAN)の中核であるマレーシアとの連携強化は、オバマ大統領のリバランス政策(アジア回帰)の成否を左右するものだが、交渉が難航する分野として、政府系企業と民間企業の競争条件、医薬品の特許期間等があるとされる。 ナジブ首相はオバマ大統領との会談において「国益」を考慮して調整を続けると語ったが、そこで言及したマレーシアの「国益」とは何だったのだろうか。この点をあらためて考えてみたい。 マレーシアの国策、「ブミプトラ政策」の歴史