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ブックマーク / honz.jp (27)

  • 『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』20世紀の食を発展させたのは「ミリ飯」の技術開発だった - HONZ

    ミリ飯。小さなご飯という意味ではない。ミリタリーすなわち軍隊で支給される携行のことである。海軍や空軍はそれぞれ艦内や基地に厨房があるため、いつも温かい事が摂れる。しかし、野戦を主とする陸軍は兵士が自分の料を携行する必要がある。 そのため、料はできるだかぎり小さく軽く、しかも日持ちする必要がある。陸戦が主力だった戦国時代には干飯や焼味噌などを陣中として腰に下げていた。現代の陣中すなわちミリ飯はどのようなものだろうか。 陸上自衛隊では赤飯やマグロ煮の缶詰、レトルトパウチに入った白飯やチキントマト煮などが支給されている。缶詰の誕生に深い関わりがあるのは、18〜19世紀に活躍したナポレオンだった。当時はガラスの瓶詰めだったが、やがてブリキ缶が発明され、現代のスーパーマーケットにも缶詰コーナーがあるほど発達した。 いっぽうのレトルト品は20世紀のアメリカ陸軍によって発明された。ネイティ

    『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』20世紀の食を発展させたのは「ミリ飯」の技術開発だった - HONZ
    skam666
    skam666 2017/08/08
    “著者は、軍事技術の民間転用を礼賛することもない。淡々と食品とその開発の背景を取材し、科学的な解説を加え、読者に判断を委ねるのだ。日頃の食卓を見直すためにも読んでおきたい一冊”
  • 『世界からバナナがなくなるまえに 食糧危機に立ち向かう科学者たち』 ロペスのハチ、チョコレート・テロ、現代版ノアの箱舟 - HONZ

    『世界からバナナがなくなるまえに 糧危機に立ち向かう科学者たち』 ロペスのハチ、チョコレート・テロ、現代版ノアの箱舟 バナナがなくなってしまうだって!? 多くの人にとっては寝耳に水であろうが、しかしこの話、けっしてありえないことではないようである。 現在、人々が口にしているバナナは、その大半が単一の品種、すなわちキャベンディッシュバナナである。そしてそのバナナには、遺伝的な多様性がまったくない。というのも、キャベンディッシュは種子がなく、株分け(新芽を移植すること)をとおして栽培されるからである。それゆえ、「キャベンディッシュバナナはすべて遺伝的に同一であり、スーパーで買うバナナのどれもが、隣に並ぶバナナのクローンなのである」。 だがよく知られているように、そうした遺伝的多様性の低い生物は、天敵などの影響をもろに受けやすい。実際、かつて人々が口にしていたバナナ(グロスミッチェル種)は、「

    『世界からバナナがなくなるまえに 食糧危機に立ち向かう科学者たち』 ロペスのハチ、チョコレート・テロ、現代版ノアの箱舟 - HONZ
    skam666
    skam666 2017/07/27
    “植物性食物の場合、人類が消費しているカロリーはなんと80%がたったの12種から、そして90%がたったの15種から摂取されている。そのように、いまのわたしたちの食生活はかつてないほど多様性に乏しくなっている”
  • 『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』 - HONZ

    書『Heirs to Forgotten Kingdoms』は、アラビア語とペルシア語を流暢に操り、イギリスおよび国連の外交官を務めた経験をもつ著者ジェラード・ラッセルが、中東の宗教的少数派のコミュニティを訪ねて旅し、現地の言葉で丁寧に話を聞きとって、現代に生きるその姿をまとめあげたものである。 1997年、駆け出しの外交官だった著者は、エジプトに配属されてアラビア語を学んでいた。著者はカトリック教徒で、祈る時にもアラビア語を使えば上達するのではないかと思い、エジプトのキリスト教会であるコプト教会に通い始めた。これが著者と宗教的少数派の初めての出会いだったという。聖テレーズ教会というその教会は、キリスト教徒だけでなく、地元のユダヤ人やムスリムからも愛されていた。そこには、イスラーム教と他の宗教との確かな共存の形があった。 中東といえばイスラーム教一色だと思いがちだが、実は中東は多様な宗教

    『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』 - HONZ
    skam666
    skam666 2017/01/06
    “マンダ教徒とヤズィード教徒(中略)ゾロアスター教徒(中略)ドゥルーズ派、古代のユダヤの伝統を厳格に守り続けるサマリア人、エジプトのコプト教徒、そしてアレクサンダー大王の子孫と呼ばれるカラーシャ族”
  • 『ブロックチェーン・レボリューション』夢のつづき - HONZ

    ──こんな立派なの解説って、大丈夫なんですか。 いや。だいぶ不安なんですけど。 ──そういうときは断りましょうよ。なんで引き受けちゃったんですか。ブロックチェーン、詳しいんですか。 いや、そうでもないです(苦笑)。 ──そもそも、なんで頼まれたんですか。 いや、ぼくが編集長を務めてる『WIRED』日版というメディアで、ちょうどブロックチェーンの特集をやったんですね。2016年の10月に。そのなかで、ドン・タプスコット氏にインタビューをして巻頭に掲載したので、そういうご縁ですね。 ──ということは、タプスコット氏のことも、この『ブロックチェーン・レボリューション』のことも、あらかじめ知ってたわけですね。 タプスコットさんの名前は、デジタル・シンカーのひとりとしてはもちろん知ってたんですけど、彼がブロックチェーンの一種のグールーになってることは実は知らなくて、こののことは知り合いに教え

    『ブロックチェーン・レボリューション』夢のつづき - HONZ
    skam666
    skam666 2016/12/02
    若林恵氏(『WIRED』日本版編集長)による書評
  • 『喰い尽くされるアフリカ 欧米の資源略奪システムを中国が乗っ取る日』解説 by 中原 圭介 - HONZ

    かつて江沢民が国家主席だった時代に、中国の市場経済化が待ったなしで進むなかで、国有企業の民営化が凄まじいスピードで行われた。そのとき、国有企業の膨大な資産を引き継いだのは、大半が共産党の高級官僚だった。このことが、中国が汚職国家となる原点であったといえるだろう。 共産党の高級官僚は自らがトップを務める企業の利益を追求するために、特権をふるいながら汚職にのめり込んでいくことになった。あらゆる産業の分野で彼らの息のかかった既得権益集団が形成される土壌が形づくられていき、官僚と資産家、あるいは官僚と業者の癒着が常態化し、腐敗と汚職を急増殖させていったのである。 中国の汚職や不正は、他国と比べてもスケールが大きい。国有銀行や国有企業の元幹部たちのなかには、1000億円単位の汚職や横領を働いた者もおり、当局に拘束される前に海外へ逃亡してしまっ

    『喰い尽くされるアフリカ 欧米の資源略奪システムを中国が乗っ取る日』解説 by 中原 圭介 - HONZ
    skam666
    skam666 2016/07/26
    “エネルギーを輸出するためにつくられた交通インフラは人々のために役立っていないどころか、むしろ、安価な中国製品が大量に流入するルートとなり、現地の工業化を著しく妨げてしまっている”
  • 『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 豆から生まれたメンタリティ - HONZ

    ある時をきっかけに、べ物のイメージがガラリと変わることがある。個人的に最も驚いたのは、はじめて四川料理の店で辛い麻婆豆腐をべた時のことだ。俺は今まで何をやっていたのだろうかという激しい後悔と同時に、麻婆豆腐というものへの理解が革命的に変わっていくことを実感した。 高野秀行にとっては、それが納豆であったのだろう。ある時、ミャンマー北部のカチン州での取材中にべた、日のものと全く変わらない納豆卵かけご飯。しかも現地の人たちは納豆のことを、業界人ばりに「トナオ」と呼んでいるではないか。さらにその後、タイ、ネパール、インド、ブータンといった他のアジア諸国においても、納豆もしくは納豆もどきのべ物と何度となく遭遇することになる。これを見逃す高野ではなかった。 書は「納豆の起源と変遷を解き明かす」というテーマを目的に、アジアの奥地から日の東北地方、はたまた固定観念の外側までを探検した一冊であ

    『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 豆から生まれたメンタリティ - HONZ
    skam666
    skam666 2016/05/17
    “本書は「納豆の起源と変遷を解き明かす」というテーマを目的に、アジアの奥地から日本の東北地方、はたまた固定観念の外側までを探検した一冊”
  • 『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』 ヒトは史上最強のインベーダー - HONZ

    書は「なぜネアンデルタール人が絶滅し、初期現世人類は絶滅しなかったのかという人類学の大問題」に、最新の研究結果と巧みな想像力で迫っていく、知的興奮に満ちた一冊である。原書である『The Invaders』は2015年3月に出版されたばかりで、著者が引用している論文はここ数年で発表されたものも多く、古人類学の知識を大幅にアップデートできる。書で描かれるネアンデルタール人の真の姿、絶滅への過程、侵入者としてのヒトとイヌの姿はこれまでの常識とは大きく異なり、驚かずにはいられない。 ネアンデルタール人絶滅という大問題には、これまでも様々な角度から解答が提出されてきた。有力だと考えられてきたものの1つは、気候変動説。ネアンデルタール人が地球上から姿を消した頃の気候は非常に不安定で、数百年という短い周期で温暖期と寒冷期をいったりきたりしていた。しかし、気候変動だけでは、説得力ある説明にはならない。

    『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』 ヒトは史上最強のインベーダー - HONZ
    skam666
    skam666 2015/12/02
    "ネアンデルタール人と現世人類は、どちらがより良いハンターだったのか。そして、そのハンティングの腕前の決定的な差を生み出した要因(略)議論はオオカミを家畜化した末にヒトが手に入れた、イヌの重要性へと展開"
  • 「鳶」兼「写真家」 『解業』 - HONZ

    独自の視点で、質の高い写真集をいつも紹介してくれる出版社、赤々舎。今度は、「鳶」として日を駆け巡りながら、休みを利用して撮影をする「写真家」の作品を刊行するという。しかも、なんと1年間、毎月、月刊体制で連続刊行するとのこと。見れば強烈な生命力を感じる写真が並ぶ一冊だ。撮影したのは鈴木育郎さん、1985年生まれ。いったいどんな人なのだろう。 「この鈴木さんの撮る、べ物の写真がたまらないんですよ」 そう熱を込めて語ってくれたのは赤々舎の棚橋万貴さんだ。場所は鎌倉、毎年この月に開かれる「かまくらブックフェスタ」でのこと。 鎌倉駅から歩いて10分ほど、江の電がガタンゴトンと横を走るカフェで開かれるこのブックフェアは2015年で5回目。鎌倉の出版社「港の人」主催で毎年この時期に開かれるそうで、個性的な出版社や出版人が集う。縁があり出かけたのだが、赤々舎の写真集は数冊持っており、「これはチェックせ

    「鳶」兼「写真家」 『解業』 - HONZ
    skam666
    skam666 2015/10/14
    "質の高い写真集をいつも紹介してくれる出版社、赤々舎。今度は、「鳶」として日本を駆け巡りながら、休みを利用して撮影をする「写真家」の作品を刊行するという。しかも、なんと1年間、毎月、月刊体制で連続刊行"
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』10指腸 2018年09月22日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
    skam666
    skam666 2015/09/19
    “電子書籍販売サイト「イーブックジャパン」において、ユマノイドの作品が1巻500円から購入できるようになりました”
  • 周到に計算された「狂人国家」というブランディング戦略 『北朝鮮の核心』 - HONZ

    北朝鮮は、統計上はアフリカの小国ガーナに似ている。2010年の人口は北朝鮮が2,440万人に対してガーナが2,470万人。一人当たりGDPはそれぞれ1,800ドルと1,700ドル。しかし、国際社会から受ける注目度や、先進国から引き出してきた援助の額、政治的譲歩において、北朝鮮はガーナなど比べ物にならない大成功を収めてきた。この差はどこから来るのだろう。 書の序章には「驚異的な理性の国」というタイトルが付いている。もちろんそれは北朝鮮のことだ。活用できる資源もなく、経済は死に体、時代遅れのスターリン主義と君主制を貫き、核兵器を積極的に威嚇手段として用いるその様は、周辺国の人々から「理解不能な狂人国家」と思われている。ところがこの国の指導層は、自分たちが何をしているのか、実は完璧に分かっているのだ。 著者アンドレイ・ランコフは、ソ連に生まれ、留学生として平壌に住んだ経験もあり、現在は韓国の国

    周到に計算された「狂人国家」というブランディング戦略 『北朝鮮の核心』 - HONZ
    skam666
    skam666 2015/08/20
    "序章には「驚異的な理性の国」というタイトルが付いている。もちろんそれは北朝鮮のこと(略)理解不能な狂人国家」と思われている。ところがこの国の指導層は、自分たちが何をしているのか、実は完璧に分かっている"
  • 『保存修復の技法と思想 古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで』 - HONZ

    ウフィツィで修復後の「ヴィーナスの誕生」に再会した時、以前とは異なり余りにも画面が明るくて軽い眩暈のような違和感を覚えたことがある。再建なった薬師寺の西塔を観た時もそうだった。それ以来、文化財の修復とは何だろうとずっと考えてきたが、漸く納得のいく言説に出会えた。それがこの素晴しいである。 書は、介入(修復)の4大原則、「可逆性、判別可能性、適合性、最小限の介入(著者は、もう1つ、ドキュメンテーションを加えるべきと主張するが)」を横軸に、近代修復学のパイオニア、チェーザレ・ブランディの修復理論を縦軸にして、古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートに至る文化財の修復に係る基的な諸問題を論じたものである。「脳裏をよぎるのは、いつもあるべき『当の姿』」・・・・・ 第一章は、洗浄の哲学―可逆性。ナショナル・ギャラリー(ロンドン)で大々的に始まった現代の洗浄、どこまで洗浄するのか、修復中の東塔を

    『保存修復の技法と思想 古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで』 - HONZ
    skam666
    skam666 2015/07/25
    “介入(修復)の4大原則、「可逆性、判別可能性、適合性、最小限の介入(略)」を横軸に、近代修復学のパイオニア、チェーザレ・ブランディの修復理論を縦軸にして(略)文化財の修復に係る基本的な諸問題を論じたもの”
  • 『世論調査とは何だろうか』バイアスがいっぱい - HONZ

    世論調査を目にする機会が増えたように思う。「賛成○割、反対○割」など、大文字で押し出された結果の部分を見ては、とりあえず「ふーん」とか言っている回数が多くなったような気がする。もちろんこれは感覚的な話に過ぎないが、議論の分かれる話がたくさん持ち上がっては報じられている今、あながち間違っているとも言えないのではないだろうか。 だが触れる場面が多い割に、調査の結果や考察に関しては話半分で見聞きしていることがほとんどだ。発表される数値はさまざまな影響を受けていて、何かしらの偏りがあるということは分かっている。でも実際にデータがどのように歪んでいるのかまでは知らないから、いまいち活用できない。 書を読んで、そのあたりが随分クリアになった。世論調査で得られる回答には具体的にどんな偏りが生まれ、どんな操作が加えられやすいのか。どういった質問が回答者を誘導しやすいのか。調査する側はどんなことを考えなが

    『世論調査とは何だろうか』バイアスがいっぱい - HONZ
    skam666
    skam666 2015/06/19
    “アメリカの大統領選や日本の戦後における世論調査の歴史、データの「誤差」に関する統計学的視点からの説明など、幅広い側面から話が展開されるので、読後には世論調査がより身近に感じられるだろう”
  • 『老人たちの裏社会』生き地獄化する余生 - HONZ

    65歳以上の高齢者の万引きの増加が話題になったのは20年ほど前だったか。当時は全体に占める割合が1割に達したことで注目を集めていた。 書によると警察庁発表の犯罪統計では高齢者による万引きは2011年には未成年者の検挙数を追い抜き、直近の公表値である13年は32.7%を占め過去最高を記録したという。万引き犯の3人にひとりが65歳以上という状況だ。人口全体が高齢化していることを踏まえても異常な増え方だ 万引きだけではない。ストーカーも60代以上の13年度の認知件数が10年前の約4倍に増え、他の世代の1.7-2.6倍に比べて高い増加率を示す。驚くべきなのは暴行の検挙数。2013年には94年比45倍超の3048人に急増している。原因も「激情・憤怒」が60%以上を占め、次点の「飲酒による酩酊」の14%を大きく引き離す。酔っぱらって、「何だ、この野郎!」と酒場で暴れる老人を想像しがちだが、当に凶暴

    『老人たちの裏社会』生き地獄化する余生 - HONZ
    skam666
    skam666 2015/03/20
    “統計データをなぞりながら、万引き、暴行、ストーカー、売春などに走る高齢者を取材し、本書では異様な実態を明らかにする”
  • 『特殊清掃』死体と向き合った男の20年の記録 - HONZ

    「特殊清掃 戦う男たち」というブログをご存じだろうか。特殊清掃(以下:特掃)の世界に20年以上も身を置くある男性が、「特掃隊長」というペンネームで特掃の仕事について綴ったもので、2年ほど前に5年分の記事を一部抜粋してまとめた単行が刊行された。 一部でとても話題になったこともあり、ご存じの方もいるかもしれないが、1か月ほど前に新書サイズの携書版が発売されたということで、HONZで初めて紹介してみたい。 特掃の仕事内容は、人間遺体・動物死骸・糞尿・山積ゴミなどに関係する特殊な汚染や汚損を処理するというもの。凄惨な現場や過酷な作業を強いられることも多く、なかなか陽の目を見ることのない職業だ。著者は特掃の先駆企業に勤めており、他にも納棺を行う遺体処置や、遺体を病院から遺族宅へ送る遺体運搬といった業務を行っている。ちなみに「特殊清掃」という言葉は著者の会社がつくった造語らしい。 普通に生きていては

    『特殊清掃』死体と向き合った男の20年の記録 - HONZ
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    skam666 2014/10/19
    “特殊清掃(以下:特掃)の世界に20年以上も身を置くある男性が、「特掃隊長」というペンネームで特掃の仕事について綴った(略)仕事内容は、人間遺体・動物死骸・糞尿・山積ゴミなどに関係する特殊な汚染や汚損を処理”
  • 直球しか投げなかった男・土田世紀『編集王』 | マンガ新聞

    ※この記事は2014年07月24日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。 レビュアー:佐渡島 庸平 なんて悲しいマンガなのだろう。 なんて切ないマンガなのだろう。 20年ぶりに土田世紀の『編集王』を読み直した。昔は熱いマンガだと思っていた。熱い生き様の男を、ハイテンションで描いたマンガだと。 土田世紀という男の生き様と合わせて読むと、とても切なくなった。 土田世紀は、2012年4月に43歳という若さで亡くなった。 アルコールから抜け出せない生活で、アルコールのせいで死んだ。晩年は金銭的余裕もなく、出版社から献されたを中古書店に売り、それでお酒を飲むこともあったと聞いている。 『編集王』の中には、マンボ好塚というアルコール中毒の漫画家が出てくる。そして、そのマンボ好塚は、アルコール中毒のせいで人間関係を失い、死んでいく。20代の土田世紀は、どんな気

    直球しか投げなかった男・土田世紀『編集王』 | マンガ新聞
    skam666
    skam666 2014/07/25
    “2012年4月に43歳という若さで亡くなった。アルコールから抜け出せない生活で、アルコールのせいで死んだ。晩年は金銭的余裕もなく、出版社から献本された本を中古書店に売り、それでお酒を飲むこともあった”
  • 『暴露 スノーデンが私に託したファイル』世界24カ国同時発売−世界初レビュー - HONZ

    書は世界24カ国同時発売である。日では日朝から書店店頭に並べられている。ということはこのレビューが世界最速になるかもしれない】 このレビューを書くため、「スノーデン」や「NSA」などのキーワードを20回以上Googleで検索し、何件かの事実確認をするためにMicrosoft Office 365を経由してメールを送受した。すでにこれらの通信は北米大陸のどこかに存在するサーバーに蓄積されているかもしれない。 “バウンドレス・インフォーマント”と呼ばれるプログラムが、2013年3月8日から1ヶ月間で世界中から傍受したメールは970億件以上、通話は1240億件以上だ。なかでもイランやパキスタンなどは140億件を超えている。それどころか、傍受が禁止されている米国内や、技術的に難しいはずの中国からですら30億件以上のメールと通信データを収集している。もちろん日も例外ではない。米国企業に勤務

    『暴露 スノーデンが私に託したファイル』世界24カ国同時発売−世界初レビュー - HONZ
    skam666
    skam666 2014/05/13
    “米軍三沢基地(中略)には日本におけるNSAの本拠地があるらしい。スノーデンも三沢基地での勤務経験があり、ここで無人攻撃機がどこかの村を攻撃する映像をみて、アメリカの監視能力に疑問を持つようになったらしい”
  • 『フラクタリスト ―マンデルブロ自伝―』 "ラフネス"と共に - HONZ

    部分と全体の相似が特徴的なロマネスコ。「フラクタル」と呼ばれるこのような繰り返し形状は、シダや雲、海岸線、北斎の浮世絵、銀河の密度、さらには金融市場の価格変動等にも見られる。これらを対象とする数学を見出したのが、著者のベノワ・マンデルブロだ。「フラクタル次元」という「ラフさ」を表す数値は、次元であるが、整数ではない値になり得る。例えば、下記の繰り返し手順で作られる「コッホ雪片」のフラクタル次元は、1.26186…となる。 今ではかなり一般的になった「フラクタル」という単語自体も、著者が1975年に考えたものだ。息子のラテン語辞典を引きながら、「割れた」「砕けた」という意味の「fructas」を参考にした。”ラフネス”を測りたいという昔からの志に、名前がついた瞬間である。 ポーランドで過ごした少年時代は動乱の時代だった。時は第2次大戦の直前、ユダヤ系のマンデルブロ家は、「生き延びた」という表

    『フラクタリスト ―マンデルブロ自伝―』 "ラフネス"と共に - HONZ
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    skam666 2013/10/10
    “数学、物理学、経済学、工学、言語学、さらには芸術まで、実際に多くの分野を渡り歩き、大きな功績を残したマンデルブロだが、魅了されていたのは、一貫して「ラフネスの秩序と美」であった”
  • 『エイズの起源』 注射・売春・ハイチ - HONZ

    「この程度の傷、たいしたことではない。」 男は、心の中でつぶやいた。チンパンジー狩りには困難がつきものだ。引っ掻かれ、噛みつかれるのには慣れている。今回の狩りがこれまでと違っていたのは、狩りの最中に負った傷にチンパンジーの返り血を浴びたことくらい。 「いつものことだ。」 男は再びつぶやき、いつものように家路を急いだ。 男の思いもよらないところで、この狩りは、いつものものとは2つの点で異なっていた。1つは、獲物となったチンパンジーがSIV(サル免疫不全ウイルス)に感染していたこと、もう1つは、返り血を浴びた男が種の壁を越えてSIVに感染したこと。この違いが、人類の運命を大きく変えた。そう、1921年に中部アフリカで行われたこの狩りこそ、中世ヨーロッパの黒死病以降、人類最大の「疫病」となったエイズの起源なのだ。 6,000万人以上に感染したHIV(ヒト免疫不全ウイルス)はこのように誕生した、か

    『エイズの起源』 注射・売春・ハイチ - HONZ
    skam666
    skam666 2013/07/22
    “初期の拡散には1900年代初頭の仏領植民地での医療政策が大きな役割を果たしていた(中略)植民地における歪んだ都市の人口構成(男女の不均衡)も、売春の隆盛を呼び込むことでHIVの流行に一役買っている”
  • 『おどろきの中国』 世界の中心のDNA - HONZ

    そもそも「国家」なのか? あの国を動かす原理は何か? 私たちはどう付き合ってゆけばいいのか? オビに書かれた言葉と、毛沢東が掲げられている天安門広場の写真。これらが、の内容を端的に表している。 書は、2012年の新書大賞に輝いた『ふしぎなキリスト教』で大いに議論を巻き起こした橋爪さん・大澤さんコンビに大学時代からの友人の宮台さんが加わり、中国に関して対談しただ。橋爪教授は中国研究のスペシャリストであり、また、奥さんが中国人であるため、日常的にも中国に接している。 そもそも、中国は「国家」なのだろうか?これを理解するヒントになるものがあるとすれば、それは「EU」だ。つまり、中国は、二千年以上前にできた中華連合「CU」なのだ。中国目線で考えれば、考えるべきは「なぜ二千年以上前に中国と言う巨大国家ができたのか」という問いではない。「なぜ、EUは統合するのが二千年以上も遅れてしまったのか」で

    『おどろきの中国』 世界の中心のDNA - HONZ
    skam666
    skam666 2013/03/10
    “中国目線で考えれば、考えるべきは「なぜ二千年以上前に中国と言う巨大国家ができたのか」という問いではない。「なぜ、EUは統合するのが二千年以上も遅れてしまったのか」(略)そこには地理的な要因があった”
  • 言語の力は7%か?『言語の社会心理学』 - HONZ

    タイトル『言語の社会心理学』だけでは、抽象的で伝わらないし、内容の推測も難しい。しかし、装丁と帯をよく見てみると、書のことを伝えようとする気迫が伝わってくる。 副題は「伝えたいことは伝わるのか」 帯には、「ことばは「文字どおり」には伝わらない」 背表紙からは、「伝えたいのに伝わらない」 裏返すと、「伝えたいことを伝えるために」 ここまで何度も伝えられれば、さすがにメッセージが伝わってくる、「あなたも(伝えたいことが伝えられないなら)、買ってください」と。どうでもいいが、既に「伝」の漢字を15回も使っている、この後が不安だ。 著者は、ことばとコミュニケーションに関して社会心理学的な立場から研究をしている。就活の面接対策でよく話題になるメラビアンの法則では言語の力は7%に過ぎない(口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%)と言われているが、そのことについても、正しく

    言語の力は7%か?『言語の社会心理学』 - HONZ
    skam666
    skam666 2013/02/04
    “自分のことを伝える手段として、自己開示と自己呈示の2種類が紹介されている。自己開示は正直に包み隠さず話すことであり、自己呈示は相手に良く思ってもらうために、都合良く情報を出し入れすることである”