映画「大鹿村騒動記」を見た。主演の原田芳雄が先日急死し、それが話題になったのかヒットしているという。だが派手な映画ではない。 大鹿村は長野県の南部に実在する山村だ。岩塩が採れ鹿が舐めに来るとかでこの名がある。日に何本かのバスが走っているくらいの僻村だ。私の生まれ育った喬木村が大鹿村の隣の隣にあるので多少は知っている。そんなことでこの映画も見たのだった。 大鹿村では300年続く大鹿歌舞伎が行われている。主人公の原田芳雄は鹿肉を食べさせる食堂を経営し、さらにこの歌舞伎の役者だ。冒頭で突然二人の男女が現れる。18年前に駆け落ちして原田のもとを去った原田の妻(大楠道代)と友達(岸部一徳)だった。大楠は認知症になっていて原田のことも分からないし、蚊取り線香を食べ物と思ってしまう。だから返すと言って岸部が連れてきた。そんな3人の関係が歌舞伎の上演と絡めて進んでいく。 それなりに面白かった。少し不満を述