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  • [書評] プルーストと過ごす夏(アントワーヌ・コンパニョン、ジュリア・クリステヴァ他): 極東ブログ

    ネットが興隆する前から、読むべき何冊の、といったテーマの話題はあったものだが、ネットの興隆以降はさらに、その冊数に対して、その前提に何かしら、知識や読書経験というものが数量的に伝達できるかのような錯覚があるように感じられる。しかし、読書というのは、おそらく、読む、今読む、自分の人生をその読書の時間に費やす、そうした、その時の私とその一冊のの関係のなかに、あたかも愛の行為というものがそうであるように、あるものだ。そこだけで言うなら、読むべきなどというものはなく、今読まれていると繰り返し読み返されるしかない。それはいつも一冊のとして現れる。 とはいえ、そうした一冊のたり得るは、人の経験というものを人々として広く見渡すなら、古典と呼ばれる書籍のなかで数冊となる。そうした数冊がなんであるかと考えるなら、循環して、読むべき数冊のという幻影に捕らわれてしまうのもしかたがないことだ。

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    sphynx 2017/07/10
  • [映画] カルテット! 人生のオペラハウス: 極東ブログ

    自分としてはまったくの偶然、『カルテット! 人生のオペラハウス』(参照)という映画を見た。最初、BBCという表示が目にとまったのでドキュメンタリー映画かなと、ふと思った。いつ制作の映画ともわからない。 とにかくまあ、映画が始まっているなあという感じでいると、気品のある老女が乾杯の歌のピアノを流暢に弾き始め、そして身だしなみの良い老人たちの楽しそうな姿の映像が続く。場所は英国の老人ホームらしい。この時点で私は、この映画のタイトルすら知らない。そういうふうに、なんの予備知識もなくただ映画を見るという経験も面白いかもしれないと思い、見続けた。 しばらくして主要な登場人物はこの老人だろうという4人がわかる。それからホームの自動車に記されたビーチャム・ハウス(Beecham House)という文字に目がとまり、これは音楽家専用の老人ホームなのだろうと思う。英国には軍人専用の老人ホームもあり、そこの老

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    sphynx 2017/07/02
  • 都議選は数字上は革命的な結果になりそうだが: 極東ブログ

    今回の都議会選挙の目玉は、知事支援の小池新党とも言える「都民ファーストの会」(以降、都民ファースト)という新しい地域政党の出現だろう。そこで、この党について3つの問いから考えてみたいと思っていた。と、過去形で書くのは、当初この記事はポリタスへ記事としたかったのだが、状況の見極めと、自分の考えをまとめるのに間に合わず、今日の選挙日を迎えた。 とりあえず、その3点だが。 ① 都民ファーストは勝つのか? ② 都民ファーストとは何か? ③ 都民ファーストが勝つことで何が起きるのか? 都民ファーストは勝つのか? まず、「勝つ」を定義しておかなくてはならない。基的は、議会において同党の主張が優位を保てる過半数を超える状態にもっていけることだ。都議会定数が127なので、同党とその連携政党でその過半数を超える64名の当選が、ゆえに「勝つ」ということになる。 前提となるのは、都民ファーストの立候補者は50

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    sphynx 2017/07/02
  • [書評] 自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実(スティーブ・シルバーマン): 極東ブログ

    かつての漫画家というべきなのかためらうが、私がよく馴染み、また難病を抱え込んでいるという点でも共感をもってきた漫画家さかもと未明さんが、もう数年前になるが、精神科医から発達障害だと診断され、『まさか発達障害だったなんて』(参照)や『奥さまは発達障害』(参照)という書籍で、いわばカミングアウトに近い形でそうした障害を抱えた自分を受け止めて表現しているのを知り、率直、その点、よかったねさかもとさんという思いと、他方、もにょんとした思いもあった。 まず、難病というのは経験者の側になるととんでもない弱者として世界に置かれたようないいようのない不安に陥る。この感覚はできるだけ自著にも書いたが難しいものだった(自著への揶揄を受けるたびに書かないほうがよかったかとも悔やんだ)。そして一人ではもう生きられないという弱者自覚は、もう自分は他者からの慈愛を請うしかないのだ、もう一人孤独に悪ぶっては生きられない

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    sphynx 2017/06/21
  • [書評] 東芝解体 電機メーカーが消える日(大西康之): 極東ブログ

    他の人にはどうでもいいことなのだが、私は関東逓信病院で生まれた。父がNTTの前身、電電公社員だったからである。そして、「逓信病院」という名称が残すように、電電公社となる以前、その病院は逓信省に所属していた。つまり、現在の民営化NTTもこの名前の病院と同じ道を辿り、国家機関から公社を経ていた。 父は晩年、年金の関連で、戦後のごちゃごちゃしていた時代について自身の記憶で整理し、当初、逓信省の公務員であったことを証明していた。そこに何か誇りのようなものがあったのか今となってはわからないが、彼はまた、NTTの民営化を嫌ってもいた。その前に辞めた。そうした電電マンの父が私に残してくれた言葉がある。「いいか、電電公社というのはダルマだ。手も足もないんだ。だから手と足を大切にしなければ、前に進めないんだ」と。 父は、自身は嫌っていたNTTではあっても息子の私がそこに就職することを望んでいたのではないかと

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    sphynx 2017/06/19
  • [書評] 超一極集中社会アメリカの暴走 (小林由美): 極東ブログ

    昨日の書評カテゴリーの記事で、僕は日の産業や技術を少し悲観的に見ていると書き、その理由は別の書評カテゴリーの記事で書くつもりでいることを書いた。これがそれになる。『超一極集中社会アメリカの暴走』(参照)という3月に出たである。 表題は内容をよく表しているといっていい。現在の米国では、富が超一極集中しているという事実について、この分野にいる著者らしいデータを元にした議論が進められている。私たち日人の多くは、米国社会で富の一極集中が起こり、その暴走の派生として、サンダース候補ブームやトランプ政権支持のような異常とも言える事態が起きたことは知っている。しかし、その内実の仕組みについては、識者はある程度知っているが、日社会としてはあまり知られているとは言えないだろう。書は、その仕組みが広範囲にわたって示されている。 扱われる分野は多岐になり、そのぶん、個々の技術についての考察については、

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    sphynx 2017/06/19
  • [書評]帝国日本と朝鮮野球 憧憬とナショナリズムの隘路(小野容照): 極東ブログ

    私はこの夏60歳になる。老人への道を辿りつつある。そう思うことのひとつには、自著にも書いたが、父が大正15年生まれであることについて、そう遠い歴史と感じられないことがある。 正確な期日は聞きそびれた。私の父は10歳から20歳まで朝鮮で暮らした。祖父の従兄弟の誘いから植民地で大家族を営んでいた。だが、彼はそうした家族を好まず、早々に満州鉄道学校の寄宿舎に入った。朝鮮人と一緒に少年期と青春期を過ごした。野球もした。私は父からそうした感覚を受け継いでいる。だが私も老い、今の日人にはそうした歴史感覚は伝わらなくなった。そして歴史感覚が失われたとき、歴史の考察が始まるのだろうと、書を読みながら思った。 書は、その時代、植民地時代の朝鮮での野球を中心に、朝鮮における野球を歴史的に俯瞰的に扱ったである。と、いうと、いわば歴史筋ではなく、ディテールな、些末な歴史のようだが、実際に読まれてみれば

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    sphynx 2017/06/14
  • [書評] 数学の歴史(三浦伸夫): 極東ブログ

    この3月のことだが、テレビ番組の改編期にあたりテレビ・レコーダーの機能を見渡し、ジャンル別に自動選択するモードを使ってみると、「数学歴史」という番組がひっかかり、それはなんだろうかと概要を見ると、放送大学の講義だった。どうやら3月に数学歴史と限らずいくつか集中講義というか、まとめ講義をするらしかった。 現代では数学歴史をどう教えているのだろうかと興味があったので、とりあえず全部録画して、そして学生さんのように学んでみた。この講義が意外なほど面白く、その後、講義のテキストと関連書籍なども読んだ。 数学史への関心には懐かしさもあった。10代の終わりになる。自著にも書いたが、たまたま文系・理系といった分類のない大学に入り、入学して最初に学ぶことができたのが数学史であった。その講義は、当然といえば当然なのだが、当時隆盛を極めたブルバギの数学史を基礎にしたもので、それからヒルベルト・プログラム

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    sphynx 2017/06/14
  • 韓国大統領選挙雑感: 極東ブログ

    韓国大統領選挙については、事前の世論調査から文在寅氏が圧勝することは想定されていたので、その点から言えば、ほとんど関心を持たなかった。また文氏は、昨年8月にその前段階として竹島訪問をしていたので、対日的な考えもそこから類推できる。その点でもあまり考察するべきことはなさそうである。では、なんの関心もないのかというと、そうでもなかった。 圧勝ではあるが、その内実については意外に興味深かった。当選した共に民主党の文在寅氏が1342万3800票(得票率41.08%)、自由韓国党(旧セヌリ党)の洪準杓氏が785万2849票(24.03%)、国民の党の安哲秀氏が699万8342票(21.41%)となり、洪氏と安氏を合わせて仮にこれを反文氏として見ると、45.44%対41.08%として、文氏が劣る。単純に、文氏への国民的な支持はそれほど高くなさそうだ。さらに全体として見れば、六割ほどの韓国民は文氏を支持

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    sphynx 2017/06/14
  • [書評] ミクロの窓から宇宙をさぐる (藤田貢崇): 極東ブログ

    米国のハイスクールドラマやSFドラマが好きなのでよく見るが、どうも米国の高校ではアインシュタインの特殊相対性理論のE=mc2について、それがなんであるのかというレベルでは教えているように感じられる。もちろん、米国の初等教育というのは多様だし、理数系の初等教育全体としては日のそれよりは低いだろうから、教えてないところもあるだろうし、ましてなぜE=mc2になるのかについてまでは教えてはいないだろう。まあそれでも、アインシュタインの特殊相対性理論と関連で、E=mc2かあ、くらいの知識は米人の高校生は少なくはないのではないか。 対して、日の初等教育ではどうなんだろう。義務教育で特殊相対性理論について、せめてそれがなんであるか、また、E=mc2というのは、雑駁に言えばどういう意味があるのか、ということについて、教えているのだろうか? どうも教えていないように思える。 どう教えるかという問題はある

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    sphynx 2017/06/14
  • [書評] 安達峰一郎 日本の外交官から世界の裁判官へ(柳原正治、篠原初枝ほか): 極東ブログ

    現在、国際法について放送大学の講義を楽しく聴講している。講師の柳原正治教授の説明が明快で示唆深い。もう少し国際法を学びたいなと思わせる講義だし、テキストには参考書やまた講義中にも推薦書の話が出てくる。とはいえ、それはそれとして、柳原正治先生の近著はなんだろうかと調べたら、この書籍、『安達峰一郎 日の外交官から世界の裁判官へ』があった。 恥ずかしいことに、安達峰一郎って誰?とその時思った。もちろん、そういうとき現代人ならググればいいと思いがちだし、たしかにググってみるといろいろ情報もあることがわかる。そしてそれらの情報もよく整備されている。 また私は無知だったが、近年テレビ番組や雑誌などでも、知られざる国際著名人のような話題にもなっていたらしい(そのわりに新書などの一般書はなさそう)。ただ、私としての、その「誰?」感を元に書を紐解くと巻頭というか「はしがき」に、柳原氏の説明がこうあり、そ

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    sphynx 2017/06/14
  • [書評] そろそろ、人工知能の真実を話そう(ジャン=ガブリエル・ガナシア): 極東ブログ

    昨日、フランス大使館を筆頭に内閣府や森美術館が主催した日仏フォーラム「人工知能は社会をどのように変えるのか?」に参加した。終日にわたる時間を費やした内容の濃いフォーラムであった。得るものは大きかった。フォーラムの紹介文書はいまだPDF形式でダウンロードできる(参照PDF)。 また、この手のフォーラムにありがちな英語=国際語ということもなく、進行案内はすべてフランス語でなされた(ただしフォーラム司会は日語)。つまり、日語とフランス語のみのフォーラムだったのである。その点でも興味深いものだった。熱く語れるフランス語の議論を聞いていると、フランス国内ではこうした熱意で日々弁論が交わされているのだろと確信された。 このフォーラムのパネリストの一人が書の著者ジャン=ガブリエル・ガナシア教授である。発言が興味深かったので、もう少しその思索について知りたいと思っているところ、会場で同書が販売されて

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    sphynx 2017/06/14
  • [書評] 聖なる道を歩く 黙想と祈りのラビリンス・ウォーク(ローレン・アートレス): 極東ブログ

    先日チャペルの前を通りがかると何か案内の人がいてイベントをしているらしく、聞いてみると「ラビリンス」だという。簡単な説明も受けるがなんのことかわからない。おそらく上座部仏教的な歩く瞑想、あるいは歩く祈りのようなもののキリスト教バージョンではないかと思い、時間もあったのでとにかく体験してみることにした。 チャペルに入る。薄暗く、見渡すと私以外の人はいない。いくつかキャンドルがともりコプト教を連想させる音楽が流れ、いかにも神秘的な演出となっている。椅子は後方に片付けられ、床に大きな布が敷いてあり、そこに円周を基にした迷路のような柄が描かれている。つまり、それがラビリンスなのだろう。を脱いでお歩きください、とのこと。やはり歩く瞑想であったかなと思う。 ラビリンスの入り口はわかるが出口はない。中央に花の形のスペースがあり、そこが中央で、たぶん、そこに入ったら来た道を引き返せということだろう。

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    sphynx 2017/06/14
  • [書評] 我々みんなが科学の専門家なのか?(ハリー・コリンズ): 極東ブログ

    「我々みんなが科学の専門家なのか?」という書名は、わかりやすそうでわかりづらそうに思える。というのは、その問いは修辞的であって、自明に「No。我々みんなが科学の専門家ではない」ということを導くかに思えるからだ。だがおそらく、この書名に対してそのように端的に、ただNo、というのであれば、恐らく誤読となるのではないだろうか、と読後思った。 というのは、現代社会にもたらす科学的知識の問題の大きな一面は、実際上、「我々みんなが科学の専門家たりうる」ということを前提にしているからだ。 書でも述べられているが、簡単に言えば、科学者でなくても、所定の知的訓練をしてきた人間であえれば、科学分野の論文の概要を正確に読みこなし、それを基礎づけとして、持論を展開することができるからだ。書の問題提起は、まさに、そのことが問題なのだということである。 その背景にはもうひとつ大きな問題が横たわっている。科学的な真

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    sphynx 2017/06/14
  • [書評] すごい進化 「一見すると不合理」の謎を解く(鈴木紀之): 極東ブログ

    「すごい進化」(参照)というように口語で書名を表現されると、何かとてつもない進化を遂げた生物の事例を扱う書籍のように思える。が、書の内容は副題にある「『一見すると不合理』の謎を解く」に近い。ダーウィニズムの自然淘汰の考えからすると、「一見すると不合理」な進化を遂げた生物についてどのような説明を与えることができるか、ということを扱っている。 そして結論から言えば、「謎を解く」には至っていない。1つの解法視点の提起ではあるが、むしろそこが書の面白さである。 問題の基的な枠組みは、自然淘汰の原理をどのように扱うかである。 現在進化生物学者の中で自然淘汰の原理を完全に否定している人はまずいません。しかし、進化を自然淘汰でどこまで説明できるか、すなわち「進化はすごい」とどれだけ信じているかという点については、研究者の間でさえ驚くほどの違いがあります。「進化はそれほどすごくない」というスタンスで

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    sphynx 2017/06/14
  • 『オペラ座の怪人』ミュージカルと映画: 極東ブログ

    劇団四季の『オペラ座の怪人』の元になっている、アンドリュー・ロイド・ウェバー版の、ロンドンでの25周年記念公演を、メディアでだが、見たいものだと思ったまま日を過ごしていたので、この機会に見た。すでに各方面から絶賛されているが、なるほど、驚くほどよかった。いやあ、こんなすごいミュージカルって見たことないなというくらい、すごいものだった。どうすごいかというと、まあとにかくすごかったよ。 『オペラ座の怪人』については、アンドリュー・ロイド・ウェバー版をベースにした映画版のほうを先に見ていて、実はあまりピンと来ていなかった。今思うと『ラ・ラ・ランド』(これも先日見ました)のような映画のミュージカルという先入観から見ていたせいか、どうも歌と物語シーンのバランスが悪く、歌も映像も美しいわりに主題のわからない映画だなと思っていた。 が、ようするに、映画のほうは、すでにミュージカルを見た人のお楽しみという

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    sphynx 2017/05/06
  • [アニメ]けものフレンズ: 極東ブログ

    「いくらアニメが好きだからって、あれは知能の低下を招くから見ないほうがいいかもよ」と言われた。そしてさらに、「3話までくらいがつらいんだよ。でもそれを超えたら、た、たのしぃ~」と言われた。じゃあ、見てみよう、と思った。この夏、60歳になる私。 1話目を見た。うーむ。キングダムのシーズン1や鬼平みたいに、やはり、うにょうにょしているなあ。どうしても、このうにょうにょ感はしかたないのかなとまず思った。内容は、さしてピンとこなかった。まあ、テイストはやっぱりケロロっぽいよねとは思った。というわけで、知能の低下ポイントやつらみポイントに辿り着かない地点で脱落して、『政宗くんのリベンジ』とか見ていたのだが、世の中の話題に押されて、けものフレンズの続きを見た。 僕らの世代には懐かしいツチノコが出てくる4話あたりで、おやっと思った。というか、いろいろこの物語には伏線が仕組まれていてしかも脚が緻密に出来

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    sphynx 2017/05/06
  • [映画] ラ・ラ・ランド: 極東ブログ

    『ラ・ラ・ランド』については昨年秋の米国での話題を知っていたわりに見そびれて今さら感があり、こうなるとDVDが出てから見ようかなと思っていた。が、まだ上映館があるので見に行った。さすがにもう観客は枯れていたがその枯れ具合がこの映画にとって、とてもいい感じだった。楽しく、そして少し泣けた。 評価については、もうとやかく言う必要もないだろう。アカデミー賞での椿事も楽しめる逸話になっている。とにかく、つかみの映像が圧倒的だ。あの意気込みで一気に観客を飲ませた。その音楽とダンスとシーンの美しさも圧倒的である。スクリーンセーバーがあれば是非欲しいところ。 ストリーについては、ミュージカルということもあって基単純である。特段に紹介するまでもないだろうが、売れない若い女優と、ジャズに憧れつつ理解されない若い男性の、偶然がやたらと重なる出会いと恋愛の四季、そして別れの予感……といったところ。ただ、最終シ

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    sphynx 2017/05/06
  • [書評] 学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで(岡田麿里): 極東ブログ

    『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』(参照)という書名からもわかるが、「あの花」と「ここさけ」という言葉を聞いてピンと来ない人はこのを手に取らないかもしれない。逆に言えば、「めんま!」という言葉で泣き出してしまいそうな人は、なんの疑問もなくこのを読み始めるだろう。それはそれでよいはずだが、手に取らずにいることには少し惜しい気がする。 説明するまでもない話もするのも気後れがする。でも、そこから始めたい。「あの花」というのは、『あの日みた花の名前を僕達はまだ知らない。』というアニメである。最近では『クズの懐』(これについては別途書いてみたい気はしている)と同じく、フジテレビ系ノイタミナ枠の1クール11話の作品で、東北震災のあった2011年の4月から6月に放映された。死を悼むことを見つけ出すという点で、その時期的な重なり感が微妙に受け手にもあったかもしれない。その後は

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    sphynx 2017/04/16
  • 朝鮮有事の可能性について: 極東ブログ

    あまり国内での議論に目をとおしていないので突飛な意見になるかもしれないが、これまでのこのブログでの延長的な課題でもあるので、現下の朝鮮有事の可能性について印象程度の話だが触れておきたい。 端的に朝鮮有事はありうるかというと、まず、ないと断言できる要素はない。むしろ断言できないということが確実だろう。表面的な対立の構図は北朝鮮対米国である。ここで最終的な、軍事的な選択は排除されない。ではその場合、どのような有事となるのか。3つあるだろう。 1つめは、北朝鮮のミサイルや核兵器関連とみられる施設を奇襲空爆することである。10年前になるがシリアに対してイスラエルが実行した(参照)こともあり異常な作戦とも言えないが、現状の対北朝鮮となると規模は拡大するだろう。この議論については、3月24日付けのロイター「コラム:トランプ大統領、北朝鮮に「禁断のカード」切るか」(参照)にくわしい。 2つめは米軍が韓国

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    sphynx 2017/04/12