アリスインクロノパラドックス、千秋楽でした。タイムトラベルものとして、そして青春学園モノとして、どんなにSFを知らない人でも、なんとなくの印象で「知っている」ジャンルに挑戦するのは、はっきりいって冒険でした。書き始めは迷いもありましたし、何度も書き直す中で見失いそうになることも沢山ありました。完成してからも「もしかして仕掛けがややこしくて、中身を理解してもらえないのでは?」といった不安をおぼえました。けれどフタをあけてみればそんな事はなく、演出の松本さん、美術の鈴木さん、照明の榊原さん、音響の伊藤さん、音楽の神津さん、そして出演者、スタッフみんなのエネルギーが、大きな感情を伝えてくれました。 脚本の完成稿を仕上げているとき、地震が起きました。出入りしていた編プロへ歩いて出向くと、皆がテレビにかじりついています。映像を見ました、一晩中ニュースが流れていました。ぼくはそのときのことを、そのとき