COP26の主催国である英国のジョンソン首相は、9月末にイタリアで開催された環境問題に関する会合の場で、10月31日から始まるCOP26に向けて、石炭、自動車、資金、森林の4分野の変革を国際社会に求めると強調し、COP26を気候変動問題の「終わりの始まり」とするように呼びかけた注1) 。COP26に向けては、議長国の英国のみならず、EUや米国バイデン政権が、G20主要国だけでなく主要な途上国を含む各国に2050年のカーボンニュートラル、2030年までのCO2排出大幅削減といった野心的な目標を掲げるように働きかけており、まさに「気候変動問題の終わりの始まり」の契機とすべく政治的な圧力を強化している。2007年以来、毎年このCOPの会議に参加し、交渉プロセスを観察してきた筆者の目には、確かにCOP26は「終わりの始まり」の契機となる気配が強まっているように見受けられる。しかし、それは「気候変動
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