世界一の物流大国・中国 中国は今や日本を抜き世界第二位の経済大国であり、 輸出競争力も高いだけでなく、13億人の内需が強力に経済サイクルを牽引しています。 いま中国脅威論や逆に中国崩壊論が華やかで書店を賑わせておりますが、 歴史を鑑みるに中国が覇権を持つことは至極まっとうなことであります。 その有無を言わさないジャイアン的なやり方には大いに問題があるところですが…。 さて、今回と次回との2回で「明・清の時代の中国の物流」について書いていきます。 今回は明王朝の物流についてです。 1. 明・清時代の中国では何が流通したか 10の経済地域 アメリカの地理学者G.W.スキナーは、19世紀末の中国を大きく「10の経済地域」に定義しました。 例えば、満州、華北、長江下流、西北中国、東南沿岸、嶺南などなど。 それらの地域は主要河川の流域ごとに形成されており、中心部は農業や商業、工業が行われる低地、周辺