いかに「インドネシア」国家が作られたか 21世紀の大国として注目されるインドネシア。 そこに住む人は「インドネシア人」ですが、厳密に言うとインドネシア人という民族は存在しません。 インドネシアは、ジャワ人やスマトラ人、バリ人、アンボン人など、約300の民族から成る多民族国家。 ぼくは2013年にバリ島からジャワ島まで長距離バスを使った横断旅行をしたことがあるのですが、バリ島からジャワ島に渡った後、まるで外国のように町や人の雰囲気が違うことに驚いたものです。 国としてのインドネシアが出来たのは最近のことで、 それまでは海や川、山など自然の国境で区切られた地区の中でそれぞれ独自の統治が行われる小国家群の集まりでした。 今回はそのような緩やかな国家群がどのように「インドネシア」となったかを見てみたいと思います。 1. 人が自由に往来する港市国家群 他者に対してオープンな港市国家の気質 インドネシ