塩見こずえさんは、現在、千葉県柏市にある東京大学大気海洋研究所に籍を置く、いわゆるポストドクターだ。日本学術振興会の特別研究員として支援を受けている。 つくばエクスプレスの「柏の葉キャンパス」が最寄り駅で、まさに「郊外」という雰囲気の中に、大気海洋研究所はある。物性研究所、宇宙線研究所といった、東大の他の研究所と同じ敷地内に並んでおり、ガラス張りのビルに外側からあえて枠組を取り付けたような近代的な設計・デザインだ。なにしろ2010年に完成したそうだから、できたてのほやほやである。 その一角に、バイオロギング研究をしている学生やポスドクの部屋があり、元締めである佐藤克文准教授の部屋の応接スペースを借りてお話を伺った。 まず、コウテイペンギンを研究対象にするメリットを、塩見さんの観点から述べてもらった。これにはコウテイペンギンが、鳥類で一番の潜水能力を誇っていることが、大いに関係している。 「