平成に入って10年余り過ぎた1999(平成11)年。社会の信頼が根本から崩壊しかねない事件の発覚、発生が相次いだ。深刻な問題を引き起こしたのは、神奈川県警。現職の警察官が殺人、収賄、窃盗、強制わいせつなどの罪を犯し、県警は組織ぐるみで警官の覚醒剤使用事件を握りつぶしていた。未曽有の不祥事は、なぜ起き、何を残したのか。不祥事を隠そうとする県警上層部と記者の間では、どんなせめぎ合いがあったのか。組織と個人、キャリアとノンキャリア、捜査当局とマスコミ… 一連の不祥事を取材した記者が今、あの時を振り返る。(渋谷 文彦) 「取材に行っても、2人とも否定しますよ。一体何のことかと言われるかもしれない。裏は取れませんよ」 1999年9月4日、神奈川県警察本部。ある県警幹部が発した言葉に、思わず息をのんだ。 2人とは、相模原南署の元巡査長と女子大生。県警が隠していた元巡査長による不祥事の実態をつかんで当て
舞台で披露された「スカジャン音頭」=横須賀市衣笠栄町の市はまゆう会館 横須賀民謡協会(国友竜(りゅう)弘(こう)会長)の有志が地域と民謡の振興を目的に創作した「スカジャン音頭」が20日、横須賀市内で開かれた民謡大会で披露された。赤や青の「スカジャン」を着た会員約30人が息の合った踊りで会場を盛り上げた。 大会は協会が毎年開催。市内の民謡団体が津軽音頭や黒田節などを舞台で発表している。 スカジャン音頭は、日本古来の民謡と横須賀発祥のスカジャンという新旧の魅力を織り交ぜた創作舞踊。市内の名産や名所を織り込んだ歌に、多くの人が覚えやすいように炭坑節をベースに振り付けを付けた。 この日の大会では、歌手のASAMIさんと津軽三味線の生演奏をバックに披露。「イイジャン ソージャン ヨコスカジャン」で始まる歌に合わせ、優雅に踊った。 国友会長は「協会は来年が55周年。会員は高齢化しているが、民謡文化をし
市内唯一の百貨店、伊勢丹相模原店(相模原市南区)が2019年9月末で閉店する-。地元に大きな衝撃を与えた三越伊勢丹ホールディングス(HD)の昨年9月の発表から5カ月後、周辺の住民や商店主ら25人でつくる「大野南地区まちづくり会議」の面々は膝をつき合わせていた。 議題は同HDに宛てる要望書の文面。一人が「伊勢丹は単なる商業施設ではない。そのことを要望書に書いてほしい」と言えば、別の一人が「地元が閉店決定にショックを受けていることも伝えたい」と訴えた。 会合で次々と上がる切実な声。それらが示すように同店は駅前にある百貨店の一店舗ではなかった。 橋本、相模原両駅周辺とともに、市内三つの中心市街地の一つである相模大野駅周辺。そのまちづくりは、元号が「平成」になった翌年の1990年にオープンした同店を中心に進められてきた経緯がある。 ■ ■ その一例が店外のペデストリアンデッキとつながる店内のコンコ
県内議員選の投票率 統一地方選後半戦で行われた14市町の議員選の投票率は、9市2町で4年前の前回選挙(山北町は無投票)より低下した。 50%を超えたのは南足柄市、中井、山北、開成町の1市3町にとどまり、他の9市1町は50%を下回った。 最も高かったのは、前回無投票だった山北町で、66・21%。開成町64・04%(前回68・20%)、中井町57・98%(同54・94%)の順。最も低かったのは、前回も最低だった藤沢市で、37・08%(同38・73%)だった。 前回比の下落幅が最も大きかったのは、市長が昨年急逝し、今回から市議選単独になった茅ケ崎市(6・45ポイント減)で、葉山町(4・37ポイント減)、横須賀市(3・80ポイント減)の順だった。 首長選が行われた3市2町は、大和市38・40%(前回40・80%)、平塚市41・30%(同43・80%)など、前回無投票だった湯河原町を除く全てで低下し
当選が決まり支持者と握手する府川氏(右)=21日午後10時50分ごろ、開成町の事務所 開成町長選は21日投開票され、無所属で現職の府川裕一氏(63)が、無所属新人で元銀行員の山神裕氏(52)との一騎打ちを制し、3選を果たした。 >>>開成町議選の開票結果はこちら ともに北・中・南部のバランスのよい振興策や小田急線開成駅周辺の整備を掲げるなど主要な政策については大きな差はなく、府川氏の町政運営への評価が焦点となった。 府川氏は2期目の成果として、子育て支援センター設置や保育園新設などの子育て支援と、町立開成幼稚園の3年教育開始などの教育支援を強調。幅広い層から支持を集め、選挙戦を優位に進めた。 山神氏は現町政を「計画性のない行財政運営」と批判。財政が悪化し続ける国からの補助金に頼らない健全財政などを訴え、草の根運動を展開したが及ばなかった。 投票率は64.05%で、前回(68.21%)を4.
踏切で車と衝突し、停車する電車=21日午前9時25分ごろ、平塚市老松町 21日午前7時50分ごろ、平塚市老松町のJR東海道貨物線須馬踏切(警報機、遮断機付き)で、熱海発品川行き回送電車と乗用車が衝突。乗用車の大磯町東小磯、職業不詳の男性(31)が病院に搬送されたが、間もなく死亡した。平塚署が事故原因を調べている。 署によると、電車が踏切を通過する直前に乗用車が北側から南側に向けて踏切内に進入したとみられる。目撃者の話では、踏切の警報機や遮断機は正常に作動していた。 現場は平塚駅から東に約800メートルの踏切。同貨物線とJR東海道線が並走している。JR東日本横浜支社によると、東海道線は上下30本が運休、19本に最大169分の遅れが出て、約1万2500人に影響した。 事故のあった踏切前で通行を規制する警察官=21日午前9時25分ごろ、平塚市老松町 回送電車と衝突した乗用車で救出作業に当たる救急
4選を決め、支持者と万歳する冨田氏=21日午後10時ごろ、湯河原町の事務所近く 8年ぶりの選挙戦となった湯河原町長選は21日投開票され、無所属で現職の冨田幸宏氏(61)が、無所属新人で元町議の室伏友三氏(70)との一騎打ちを制し、4選を果たした。 冨田氏は、町長給与20%カットや職員数削減などの行財政改革、大型宿泊施設誘致や老舗旅館の再生など3期12年にわたる実績をアピールし、官民連携のさらなる推進を訴えた。町議時代から培った地盤を固める一方、地元選出県議や町議、地元経済団体などが応援に加わり、着実に票を積み上げた。 室伏氏は、町や議会関係者による米ハワイ州へのトップセールスについて「税金を使っているのに使い道が不明瞭で成果が見えない」などと批判。自然環境を活用した観光客誘致のほか、中学校給食の実施などを訴えたが、及ばなかった。 投票率は49.06%で、選挙戦となった前々回2011年の54
4選を確実にし、万歳する大木氏(中央)=21日午後10時5分ごろ、大和市内の事務所 大和市長選は21日投開票され、現職の大木哲氏(70)が新人で元市議会副議長の二見健介氏(41)との一騎打ちを制し、4選を果たした。今年2月に市制移行60周年を迎えた同市で、4期を務める市長の誕生は初めて。 >>>大和市議選の開票結果はこちら 大木氏は、自身が提案した市長任期を連続3期までに努めるとした多選自粛条例が適用される時期となり、出処進退の表明は告示約1カ月前と遅かった。 それでも、組織に頼らない従来スタイルの選挙戦を展開。3期12年にわたり、一貫して進めてきた健康都市政策が具現化し始めたことなどをアピールし、「多選」への批判をはねのけて有権者の支持を集めた。 一方、二見氏は多選自粛条例の順守を最大の争点に据え、世代交代を訴えた。ただ知名度不足を補いきれず、財政健全化などの政策も浸透しなかった。 事前
接戦を制して3選を決め、バンザイ三唱する現職の加藤氏(中央)=22日午前0時5分、南足柄市狩野の事務所近く 3選を目指した現職に2新人が挑み、無所属3人の争いになった南足柄市長選は21日投開票され、現職の加藤修平氏(70)が接戦を制し、元市議の星崎健次氏(46)、不動産投資業の諏訪部均氏(56)を破った。 >>>南足柄市議選の開票結果はこちら 加藤氏は「財政健全化を定着させ、市の借金は約60億円減らした」などと2期8年の実績をアピール。「足柄平野全体の活性化に尽くしたい」と足柄上5町との密接な連携を強調して組織選挙を繰り広げた上、推薦を受けた自民党、公明党などの支持層を固め、盤石の態勢を整えた。 星崎氏は「道の駅の建設は反対」として、工事中止と現市政への批判を展開した。自治会からの要望が財政難を理由に実現していない実態を踏まえ、「生活に密着した税金活用を」と訴えて30~40代などからの支持
3選を決め支援者らと万歳する落合氏(中央)=21日午後10時ごろ、平塚市内 平塚市長選は21日投開票され、無所属で現職の落合克宏氏(61)=自民、立憲民主、国民民主、公明党推薦=が、無所属新人で市国際交流協会理事の谷容子氏(54)を破り3選を果たした。 >>>平塚市議選の開票結果はこちら 子育て世代流入と定住促進策を掲げ、「平塚に生まれている明るい流れを加速させる」と市政の継続を主張。大神地区の「ツインシティ」構想や市役所庁舎建設など2期8年の実績を強調した。見附台周辺地区や龍城ケ丘プール跡地を整備し、JR平塚駅周辺の中心商店街活性化につなげるとした。国政与野党4党が相乗りし、地元経済団体や労働組合などの組織票を手堅く押さえた。 谷氏は自校方式による中学校給食や見附台周辺地区整備事業の見直しなどを主張。児童虐待ゼロや病児・病後児保育の拡充も掲げ、女性を中心に支持拡大を図ったが及ばなかった。
初当選を果たし、笑顔を見せる竹岡氏=21日午後11時10分ごろ、横須賀市の事務所 横須賀市議選では、無所属新人で、最年少候補の竹岡力氏(25)が激戦を勝ち抜き、初当選した。 竹岡氏は事務所で、集まった支持者らと喜びを分かち合い、「議会に若い力が必要という訴えが市民に伝わった」とあいさつ。「初心を忘れず政治家のスタートを切りたい」と述べた。 大学生で地元自治会の役員を務め、高校生らが行政に政策提言をするコンペも主催するなど、地域に密着した活動に汗を流した。 大学卒業後、一度は教育関連の企業に就職したものの、「若い世代の声を政治に反映させたい」と市議選への出馬を決意。選挙戦ではスポーツウエア姿で若さを前面に出し、教育施策の拡充を中心に駅頭などで訴え続けた。
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