[第27回] イタリア「脱原発」 源流に25年前の経験 平田篤央 Hirata Atsuo(GLOBE記者) 国民投票で原子力発電の再開を否定したイタリア――。社会に根付く「脱原発」の原点には、チェルノブイリ事故直後に閣僚間での激論を経た厳しい食品規制の経験があった。 一方、パニック防止を最優先したトルコでは……。 反核団体が路上に置いた、核廃棄物を入れるドラム缶の模造=ロイター 「原発にさよならを言わなければならない」。 イタリアのベルルスコーニ首相は先月13日、記者会見でこう述べた。首相は、1990年から凍結している原子力発電の再開を狙っていた。 しかし、その是非を問うために12日から行われた国民投票で、反対が9割を超えたのだ。日本の福島第一原発の事故が影響したことは疑いないだろう。 イタリアはG8のなかで唯一、いまの時点で原発を稼働させていない国だ。そうなったのは、25年前の旧ソ連・