壊血病にかかると、皮膚に潰瘍が発生し、歯茎は化膿し、古傷が開く。写真は、アフリカのジブチで病院に運ばれる壊血病患者。(PHOTOGRAPH BY AP) マゼランやクックといった航海者たちが世界の海を制した大航海時代。ヨーロッパに巨万の富と英知をもたらした一方で、多大な犠牲を強いられることにもなった。この時代、壊血病によって命を落とした船乗りの数は、米国の南北戦争で死んだ兵士の3倍以上に及んだという。(参考記事:「コロンブスの町、崩壊の原因は壊血病か」) 体と精神の両方をむしばむこの恐ろしい病は、新鮮な果物や野菜不足による恒常的なビタミンCの欠乏によって引き起こされることが今ではわかっている。しかしジョナサン・ラム氏は、最新の著書『Scurvy: The Disease of Discovery(壊血病:大航海の病)』の中で、数百年もの間、誰ひとりとして、病気の原因にたどり着くことができな