【疑惑の濁流】インサイダー取引はなぜ見破られるのか…ベテラン審査官が明かす摘発の“極意” (1/5ページ) 2009.5.6 13:00 未公表の企業の内部情報を悪用して、株で不正な利益を上げるインサイダー取引。市場の公正さを歪める「濡れ手で粟」の犯罪に対し、近年、監視の目が一段と強まっている。証券取引等監視委員会は今年に入り、海外口座を使って巧みに隠蔽(いんぺい)されたインサイダー取引を告発するなど、課徴金制度の適用も含めすでに9件というハイペースで摘発を続ける。一方、インサイダー取引に手を染める側はさまざまな偽装工作によって摘発を逃れようとするが、なぜ当局に見破られてしまうのだろうか。監視委の“奥義”に迫った-。 1秒間に25~50件の売買注文 ニューヨークのウォール街、ロンドンのシティと並び世界3大金融街と呼ばれる東京・兜町。その中枢に位置する東京証券取引所(東証)には、ネット網を