9人の「田中宏和」さん。先頭が発起人の田中宏和さん。区別がつかないので職業や職場のある街を呼び名にしている=石田写す 戯れに自分の名をコンピューターで検索したことがある人も多いだろう。自分の知らないところで、全然違う暮らしを送る同じ名前の人――。そんな人にホントに会ってみよう、と集う人たちがいる。 9月、東京・丸の内の中華料理店。9人の男性が、丸テーブルを囲んだ。 「はじめまして、田中宏和です」。電機メーカーに勤めるさいたま市在住の田中宏和さん(40)が自己紹介すると笑いと拍手が起きた。 「ようこそ! 田中宏和の集いへ」「ついに野球チームがつくれる人数になったね」 9人は「同姓同名」という共通点で結びついた。漢字も同じ。だがそれ以外は年齢も職種も住んでいる町も違う。 発起人は都内の広告会社に勤める田中宏和さん(40)。「田中宏和.com」というサイトを主宰する。 ずっと、「田