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ブックマーク / yashoku.hatenablog.com (28)

  • アルコールで“だし”は取れるのか? その3 - 夜食日記

    前々回、前回のつづき。 昆布やかつお節など、10種類の材をほぼ100%アルコールの「スピリタス」で「アルコールだし」をとりました。 特に、かつお節とミックスナッツからとったものは、水割りにするとかなりおいしいものでした。純度の高いアルコールで抽出したものは、材の香りを際立たせるための「香り仕上げ調味料」としての利用が考えられます。 次のステップとして、アルコール抽出した原液を濃縮してみましょう。 昆布、かつお節、シイタケ、にぼし、ホタテ、ビーフジャーキー、ミックスナッツ、卵黄、桜エビ、天津甘栗からとったアルコールだしを、試験官(きれいに洗ったもの)にそれぞれ入れます。 遠心式濃縮機で、減圧下でアルコールを飛ばします。 量が多い場合は、ロータリーエバポレーターです。 スピンドライすると、このようにカラカラになります。 たとえば、桜えびのアルコールだしのビフォー・アフターはこのように。 乾

    アルコールで“だし”は取れるのか? その3 - 夜食日記
  • アルコールで“だし”は取れるのか? その2 - 夜食日記

    前回のつづき。 10種の材をアルコール度数96%の「スピリタス」に二晩浸して“アルコールだし!?“を取りました。 まずは、見た目から。抽出液の色がわかるように、真横からのアングルで。 昆布。 かつお節。 シイタケ。 にぼし。 ホタテ。 ビーフジャーキー。 ミックスナッツ。 卵黄。 桜エビ。 天津甘栗。 抽出液だけをチューブに移すと次のように。左から、昆布、かつお節、シイタケ、にぼし、ホタテ。 左から、ビーフジャーキー、ミックスナッツ、卵黄、桜エビ、天津甘栗。海老色、いいですね。 原液はすべて、強いアルコール臭しかしないので、水で10倍に薄めたものをテイスティングしました(それでもアルコールは10%弱ある)。私の主観の結果(におい、味、色、総合評価)は、次の表の通り。 材 におい 味 色 総合評価 昆布 ◯立ち上がる昆布香 ◯味は感じる 透明 ◯ かつお節 ◎強い香り ◯後を引く味 かな

    アルコールで“だし”は取れるのか? その2 - 夜食日記
  • アルコールで“だし”は取れるのか? その1 - 夜食日記

    や日の“要”といえば、昆布やかつお節からの「だし」でしょう。煮物や汁物でのだしのうま味がなければ、文字通り“味気ない”ものになります。 だしは、当たり前ですが水から取ります。 「だしを取る」というプロセスを化学的に表現すると、昆布やかつお節という固体から、水という溶媒に溶ける可溶性のグルタミン酸やイノシン酸という成分を選択的に抽出する固-液(こえき)抽出法であるといえます。お茶やコーヒーを入れる操作も水溶媒抽出という分離プロセスです。 ものを溶かす溶媒の種類によって溶ける成分も変わってきます。 有機化合物を抽出する実験などでは、エーテルやヘキサンなどの有機溶媒がよく用いられます。また、品のホップエキスの抽出やコーヒー豆からの脱カフェイン抽出などには超臨界二酸化炭素の利用が有名です。 そこで一つの疑問が生まれます。だしは水からしか取れないのか? 水以外の溶媒で“だし的”なものが取れ

    アルコールで“だし”は取れるのか? その1 - 夜食日記
  • 焼き芋はどこまで甘くなるのか?―低温加熱による限界への挑戦 - 夜食日記

    スーパーの入口付近などで「焼き芋」が売られているのをよく目にしますが、今巷でちょっとした「焼き芋ブーム」なのだそうです。私も買いたいと思う時に限って、だいたい売れ切れています。 サツマイモは、「蒸し芋」よりも「石焼き芋」にした方がおいしいのは自明のこと。 石で焼いた芋が蒸した芋よりおいしく感じる要因の一つは、サツマイモ内のβ-アミラーゼという酵素がより働くことで、デンプンが分解され、麦芽糖などの甘い成分が生成するからです。 β-アミラーゼが一番活発に働く温度は約70℃であることがわかっています。石焼き芋の場合、その温度帯を長い時間かけて通り過ぎるため、酵素がより働き、甘味が増すというメカニズムです。 ここである一つの仮説が浮かびあがります。β-アミラーゼが働く低温加熱をずっと続けたらサツマイモはどうなるのか? 究極の甘さを持った焼き芋ができるんじゃないの?と。 ということで、生のサツマイモ

    焼き芋はどこまで甘くなるのか?―低温加熱による限界への挑戦 - 夜食日記
    teajay
    teajay 2015/04/25
    低温加熱で酵素の働きを多く引き出ばより甘くなると。ほっくりテクスチュアとは引き替えになる傾向みたい。|個人的経験則「大きなイモのが甘い」は、たぶんこの加熱過程のせいだと考えてる。
  • 「芸術的に見せた料理はおいしい!?」という研究 - 夜食日記

    グルメサイトで行きたい店を選ぶときや、レストランで写真付きのメニューを見て注文するとき、さらにコンビニやスーパーでべものを選ぶときなど、私たちは基的に眼で見た情報を頼りにお店や料理べものを選んでいます。 料理を口にする前には、品の持つ色や光沢、形などの「視覚情報」のみが、おいしさを判断する材料になります。つまり「おいしさは眼から始まる」といえるでしょう。 もし料理が“芸術的な形”で提供されたとしたら、実際それをおいしく感じるのでしょうか。そんな興味深い研究が報告されています。 A taste of Kandinsky: assessing the influence of the artistic visual presentation of food on the dining experience Charles Michel, Carlos Velasco, Elia Ga

    「芸術的に見せた料理はおいしい!?」という研究 - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/09/13
    カンディンスキー風盛り付けは効果あったと。ところで、「うまそう」に見える料理の傾向はアートシーンと連動するのだろか。ポロック風ソースの点々をよくみるけど、じゃあモネ風、ゴーギャン風etcだったら?と
  • 「平均のおいしさ」の発見と再現ができる人 - 夜食日記

    セブンイレブンの野菜スティックにつける味噌マヨネーズに、地味にはまっています。仕事中よくポリポリポリポリべて、いつの間にか無くなっていることがよくあります。 他のコンビニの野菜スティックも試してみましたが、セブンの味噌マヨのおいしさはちょっと別格ですね。 自分の家でも、セブンの味噌マヨネーズを目指して作ってみましたが、近い味になっても、完全な再現は難しいものです。Webで「セブン 味噌マヨ」と検索してみると、このソースにはまっている人は多いようで、Cookpadで自作のソースのレシピを公開している方もたくさんいましたね*1。 以前、ある中小の品企業に就職した教え子から聞いた話で、商品開発に配属されたその子が、何かの調味料かソースを作って販売したら、かなりおいしいと評判になり、社始まって以来の売上を記録したそうです。 いろいろな調味料を配合し、たくさんの試行錯誤を経て作ったソースは、社内

    teajay
    teajay 2014/08/10
    かなり科学のメスが入っている分野なのに、料理がテクノロジーよりはアートと呼ばれることが多いのはこのへんにも理由があるか。
  • アイスクリームの分子構造 〜分子調理によるアイスクリームの未来〜 - 夜食日記

    前回、前々回からの続き。 乳脂肪分の多い濃厚なプレミアムアイスクリームのおいしさのひとつは、そのクリーミーな舌触りですが、そのアイスクリームを顕微鏡等を使って分子レベルで見ると、アイスクリームの中の氷の結晶が小さいことがわかります。 アイスクリームのクリーミーさは、アイス組織中の氷の結晶の大きさと密接な関係があります。氷結晶の大きさと舌触りの関係は、顕微鏡で観察すると氷結晶が、 35 μm未満 → 著しく滑らかなアイスクリーム 35〜55 μm → 滑らかなアイスクリーム 55 μm以上 → 粗いアイスクリーム となります。 氷結晶の核形成や成長は、フリージングや貯蔵時の温度や時間によって変化します。低温で長時間ミックスを放置すると氷結晶が融合・粗大化のプロセスをとります。 氷結晶が55 μm以上を超えたアイスクリームは滑らかさを欠き、粗雑でざらつきがあり、アイシーな感になると報告されて

    アイスクリームの分子構造 〜分子調理によるアイスクリームの未来〜 - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/07/03
    一回溶けたアイスがイマイチな理由とも繋がる話のようだ。液体窒素、学校の理科室に用意出来る程度なので業務レベルならまあまあお手軽の部類なのかな。
  • アイスクリームの分子構造 〜アイスクリームの“柱”とは?〜 - 夜食日記

    前回からの続き。 アイスクリームは、見方を変えるとミックスの中に空気を抱き込んだ「泡」であるといえます。さらに、ミックスは脂溶性分子と水溶性分子が混ざり合った「エマルション」でもあります。つまり、アイスクリームの構造には、メレンゲ菓子やマヨネーズに見られる要素が組み込まれていると言えます。 アイスクリームミックス中の乳脂肪は、原料の牛乳がホモジナイズ(均質化)されていることによって、小さな脂肪球として存在しています。 ミックスをかき混ぜながら凍らせていくと、その脂肪球が部分的に会合し、不安定になります。その際、“ブドウの房”のようになった乳脂肪は気泡の表面へと移動し、層を作って安定化しようとします。この房状脂肪がアイスクリーム組織の骨格となります。 脂肪球の凝集は、アイスクリーム製造の際に気泡を破壊し、オーバーランを低下させますが、脂肪は「アイスクリームの柱」になり、形の維持に多分に影響を

    アイスクリームの分子構造 〜アイスクリームの“柱”とは?〜 - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/06/23
  • アイスクリームの分子構造 〜“間隙”のおいしさ〜 - 夜食日記

    アイスクリームは年中美味しいですが、最近特においしい季節になってきました。 アイスクリームのおいしさは、なんといってもその「舌触り」が重要です。とろける「滑らかさ」は、アイスクリームに欠かせない魅力の一つです。 そのカギを握っているのが、アイスクリーム中の 空気 乳脂肪 氷結晶 の三点です。 アイスクリームの分子構造からアイスクリームのおいしさの秘密を考えてみます。まずは、空気の役割から。 アイスクリームは、原料である生クリームや砂糖を合わせた「ミックス」を凍らせて作りますが、その製造過程で空気を“巻き込んで”その体積が増えます。その空気の混入量の度合いは「オーバーラン」と呼ばれています。計算式は次のようになります。 オーバーラン(%)=[(ミックスの重量)ー(同体積のアイスクリームの重量)]÷(同体積のアイスクリームの重量)×100 例えば、容量が200 mlで、ミックスの比重が1.10

    アイスクリームの分子構造 〜“間隙”のおいしさ〜 - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/06/23
    菓子類の材料はどれも似たり寄ったり。テクスチュアのコントロールで勝負するような所もあり、仕組みを理解してると強いかもしれない。大雑把な自分には不向きな理由でもある
  • コオロギでだしを取る@世界のベストレストラン - 夜食日記

    6月に入りました。6月といえば、あさって6月4日は、虫の日ですね。 昨年、国連糧農業機関(FAO)が昆虫を推奨する報告書を発表し、多方面で話題となりました*1。 今年に入っても、ハーバード大学の卒業生、女性3名が「コオロギチップス」を考案し*2、その開発費をクラウドファンディングで獲得した話や、人々の抵抗感を低くするための「昆虫のプロダクト・デザイン」が研究されているニュース*3など、昆虫に関するニュースをいくつも目にしています。 (USA TODAYより) 昆虫に今、人々の関心がかなり集まっています。 その中で、個人的にとても刺激的に感じた話題に、昆虫と対局にありそうな?美・ガストロノミーの世界にも「虫の足音」が確実に近づいているという話があります。 美レストランランキングともいえる「世界のベストレストラン50」で、今年2014年のトップに立ったのは、レネ・レピゼ氏(Re

    コオロギでだしを取る@世界のベストレストラン - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/06/23
    海老アレルギーでイナゴも駄目ってヒトが居たから、出汁も似たようなものが取れそうな気はする。クリケットって名前はサクサクしてうまそうだよね。
  • 「料理と科学のおいしい出会い」という本が出ます。 - 夜食日記

    自然科学分野の書籍を発行している化学同人さんから「料理と科学のおいしい出会い: 分子調理がの常識を変える」というが出ることになりました。 化学同人さんのサイトでもこれから出るとして掲載されています。 表紙は、これからです。 料理と科学のおいしい出会い: 分子調理がの常識を変える (DOJIN選書) 作者: 石川伸一 出版社/メーカー: 化学同人 発売日: 2014/06/18 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る

    「料理と科学のおいしい出会い」という本が出ます。 - 夜食日記
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    teajay 2014/05/15
    分子ガストロミーの
  • 舌から脳までの“おいしさ情報”の「伝言ゲーム」 - 夜食日記

    料理べて「おいしいっ!」と感じるプロセスは、べものの「情報」を脳に伝える「伝言ゲーム」のようなものです。 例えば、味覚では、べものの中に含まれる「味分子」が、舌の味蕾にある味細胞の表面にある「味覚受容体」にくっつきます。 受容体に味分子が結合すると、味細胞がその「シグナル」を神経細胞に伝え、最終的に脳に伝わります。 具体的には、味分子が、細胞内のさまざまな「情報伝達物質」へと変わり、脳へとたどり着き、「甘い」とか「塩っぱい」という情報として認知されます。 すなわち、おいしさの情報は、味分子→受容器レベル→神経伝達レベル→脳機能レベル→認知・知覚レベルへと「情報の川」を上流から下流へと流れて行きます。 味覚だけでなく、べた時の嗅覚、視覚、聴覚、触覚の情報も脳への伝言ゲームが行われ、様々な感覚がアマゾン川の支流と流が合流するように統合された結果、「このケーキ、おいしい」とか「カレー

    舌から脳までの“おいしさ情報”の「伝言ゲーム」 - 夜食日記
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    teajay 2014/03/19
    20130627
  • 「単調な食事を続けていると食欲がなくなる」のはなぜか? - 夜食日記

    以前にこのブログで話題にした「味わいの認知科学」*1というの感想を一つ。 「における“味わい”とはなにか?」について、分子生物学と実験心理学を専門とするお二方によって編集されたこの。 読んでみて実におもしろい。読み進めていくうちに、線ががんがん引かれていきました。こののブログでも取り上げたいネタの宝庫です。 のサブタイトルに「舌の先から脳の向こうまで」とあるように、「舌」という生物学・生理学的なアプローチと、「脳」という文化的・社会的なアプローチで“味わう”構成となっています。 前半のサイエンス的なチャプターの「味の生理と知覚」、「においの生理と知覚」、「味とにおいの相互作用」、「歯応え、舌触りの生理と知覚」は、おいしさの感覚に関する生理学的な知見等についてわかりやく書かれています。 ですが、理系の私にとってはなじみの薄い後半の心理学的なチャプターの「視覚によるの認知」、「おい

    「単調な食事を続けていると食欲がなくなる」のはなぜか? - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/03/19
    20120510 |〉美味しさの判断には微妙なずれが必要/ご馳走こそ飽きるのが早いのもそんなところかな。間を空けて少し忘れかけたころに食べるほうが良いと思ってる。
  • 多彩な“食感”を生み出す「トランスグルタミナーゼ」の分子ガストロノミーへの応用 - 夜食日記

    品のおいしさを増強させる反応に「熟成」があります。味噌や醤油、ワインやウィスキー、肉や魚肉などを、適切な状態で適切な時間寝かせることによって、「おあずけ」されただけのことはあるおいしさを手に入れることができます。 熟成の反応は、基的に熱力学第二法則によるエントロピー増大、すなわち高分子が分解し、それによって低分子が生成する方向に反応が進みます。 具体的には、デンプンが分解することにより甘味成分が増大したり、タンパク質が分解することによってうま味アミノ酸が増えたり、脂質が分解することによって独特の香りが生成する反応などです。 この熟成に関わる反応には数々の「酵素」が関係していますが、発酵中、品成分を「“ばらばらにする”酵素」というのはたくさん知られていますが、その反対の品成分を「“つなぎ合わせる”酵素」というのは実に限られています。 その“つなぐ”酵素の一つに、「トランスグルタミナ

    多彩な“食感”を生み出す「トランスグルタミナーゼ」の分子ガストロノミーへの応用 - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/03/19
    20130903 |トランスグルタミナーゼ:つなぎあわせる酵素。食材それ自体を接着したり固めたりできる(「つなぎ」ではなく)/多くの酵素は熟成で旨味を増す過程など、分解作用で食べ物に貢献することが多いなかで。
  • ユニークな形のお菓子が作れるだけじゃない「3Dフードプリンタ」の真のインパクト - 夜食日記

    最近、何かと注目を集めている「3Dプリンタ」ですが、「」の分野でもその利用が模索されています。 現在でも品業界では、可インクを使ったインクジェットプリンタが、ケーキやクッキーの表面に“2D”のイラストや似顔絵を描かれることに使われていますが*1, *2、立体の品を作ることができる「3Dフードプリンタ」に関心がシフトしています*3。 「パティシエ > 3Dフードプリンタ」という現状 これまで、チョコレートや砂糖などの素材を用い、「3Dフードプリンタ」でユニークな形状のお菓子を作る試みが行われています*4。特にチョコレートについては、「チョコレート3Dプリンタ」が、すでに発売されているぐらいです*5, *6。 (Gizmagより) しかし、これらの3Dフードプリンタによる品の製造工程の写真や映像を見て、私は品の3Dプリンタの普及にやや懐疑的な気分になりました。 3Dフードプリンタで

    ユニークな形のお菓子が作れるだけじゃない「3Dフードプリンタ」の真のインパクト - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/03/18
    20130709|NASAのフード3Dプリンタへの投資は、「テクスチャー(食感)」のプリントアウトへの布石だろうという話/飴細工だけじゃ好事家の道楽だものね。
  • 昆布と椎茸の“合わせだし”が最強の理由 うま味「相乗効果」の分子メカニズム - 夜食日記

    私が「卵」の研究者だからかも知れませんが、「茶碗蒸し好き」と公言する方に、かなり会ってきた気がします。 フタを開けると立ち上がる上品な香り、つるりとした感、そして日人の遺伝子に組み込まれたほっとする「ダシ」への安心感などが、満腹でも茶碗蒸しがぺろりとなくなる要因なのでしょう。 茶碗蒸しの“ベース”となるのは、溶き卵と「出し汁」を合わせたものですが、その出し汁として「“昆布”と“干し椎茸”」から取った「合わせだし」は最強です。 味の基味の一つである「うま味」には、アミノ酸である昆布のうま味成分の「グルタミン酸(Glu)」と、核酸系成分であるカツオ節の「イノシン酸(IMP)」やシイタケの「グアニル酸(GMP)」などが知られています。 「昆布とカツオ節の合わせだし」や「昆布と椎茸の合わせだし」に見られるような「うま味の相乗効果」は、日人であれば誰しも身近に感じたことがある現象でしょう。

    昆布と椎茸の“合わせだし”が最強の理由 うま味「相乗効果」の分子メカニズム - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/03/18
    椎茸のグアニル酸が昆布のグルタミン酸への反応を強化する。/鶏ガラ&煮干しのラーメンスープのような場合はどうなんだろう。機能する強化コンビがあるのか、香り等別要素の複合か。
  • “Umamiバーガー”から考える「うま味」の存在意義 - 夜食日記

    前回の「うま味」のブログ記事*1に関連したネタを一つ。 「Umamiバーガー」ってなに? 現在、マクドナルドで「クォーターパウンダー」の数量限定「¥1,000バーガー」キャンペーン*2が行われていますが、CMからはおいしさ感がにじみ出ていますね。 バーガーの聖地といえばアメリカ。そのアメリカには「Umami Burger」という知る人ぞ知る、知らない人は全く知らない「バーガー屋」があります。 そこのシェフのAdam Fleischmanさんが、うま味を多く持つ自然材や加工材を使った“めちゃくちゃおいしいハンバーガー”というふれ込みの「Umamiバーガー」を作っています。 そのレシピも公開されています*3。 その具材を見てみると、熟成によってうま味が増す「牛肉」のパテに、バターで炒めた「シイタケ」、パルメザンチーズをおろして焼いた「パルメザン・チップス」、「オーブンドライトマト」、玉ねぎ

    “Umamiバーガー”から考える「うま味」の存在意義 - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/03/18
    120130718|「うまみ」売り込みへの米からの反応/アミノ酸系うまみ:グルタミン酸(昆布)=たんぱく質のシグナル、核酸系うまみ:イノシン酸(鰹節)・グアニル酸(椎茸)は……?
  • 肉の臭みを消す香辛料の作用は、“香水”と同じ? - 夜食日記

    昆布のとカツオ節による「うま味の相乗効果」のように、においにも「香りの相互作用」があることが次第に明らかになってきました。 たとえば、スパイスのクローブの特徴的な香気成分に「オイゲノール」という分子があります。オイゲノールがにおいの分子受容体に結合し脳へと伝わる信号は、「嗅球」という脳の組織において、肉や魚の臭みとなる「トリメチルアミン」の受容体からの電気信号を抑制する現象があることがわかってきました。 同様に煮魚などにはショウガをよく臭み消しに使いますが、ショウガの香気成分である「シネオール」、「ジンギロール」、「ジンギベリン」なども魚の臭み成分であるアミン類より強く感じるため、魚の臭みがあまり気になくなります。 つまり、肉にクローブの粉末をまぶして焼いたり、魚をショウガと一緒に煮たりすることは、その料理の中から臭いそのものを取り除いているわけではなく、「臭いを“脳で感じなくさせる”」と

    肉の臭みを消す香辛料の作用は、“香水”と同じ? - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/03/18
    消すのではなくマスクする/コリアンダー=カメムシ・クミン=脇汗の、いい香り/臭い変換はどうなってるのかと思う。好きなハーブだけに。
  • カニの味を合成したら、確かにカニだった - 夜食日記

    べる人を夢中にさせるカニ。そのカニの味を、人が簡単に合成できると知ったら誰しも驚くのではないでしょうか。 今日の大学1年生対象の少人数教育産業基礎演習」でのお話です。この演習科目は、基的には各教員が何を教えても構わないというフリーな科目で、私はべ物の「おいしさ」に関連したディスカッションや簡単な実験をしています。 今日のテーマは、今が旬の「カニ」について。 カニの味を再現することができる成分表(カニ味再現表)というのが、明らかになっています。具体的には、下の表のとおりです。 必須成分 組成(mg/100 ml) グリシン 600 アラニン 200 アルギニン 600 グルタミン酸ナトリウム 30 イノシン酸ナトリウム 20 塩 500 第二リン酸カリウム 400 4つのアミノ酸と1つの核酸、そして2つの塩類、たったこれだけです。これを混ぜあわせただけで、はたしてカニの味になるの

    カニの味を合成したら、確かにカニだった - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/03/09
    アミノ酸4種、核酸1種、塩類2種のカニ風味/稀に食べる刺身に「カニ味」を感じず、殻だけでも出汁は取れる。これ、殻の風味かも。
  • 「どうして海外のたまごの黄身の色は薄いんですか?」 - 夜食日記

    先日、学生と話をしていた時に、出てきた話題。 「せんせー、私、春休みにカナダに短期留学したんですけど、向こうの卵の黄身の色が薄くて驚きました。あれ、なんでですか?」 私もカナダに研究留学していたので、よくその色がわかりますが、黄色がとても“うっすーい”のです。 わたし的には、卵黄の色よりも、パック内の卵が結構な確率で割れているのがショックでした。日に帰ってきてからしばらくの間、卵を買う前に割れていないかチェックする習慣が抜けませんでしたから。 このブログでも以前「白い卵黄」の話*1をしましたが、もともと卵の色は、卵を産むニワトリが自分の体内で合成しているわけではなく、エサのなかの黄色の成分が黄身に移行して、卵黄は黄色になります。 卵黄のエサの黄色の成分は、ルテインやゼアキサンチンと呼ばれる成分で、トウモロコシやホウレンソウなどに多く入っています。 ただ、トウモロコシだけべていれば、日

    「どうして海外のたまごの黄身の色は薄いんですか?」 - 夜食日記
    teajay
    teajay 2014/03/09
    20120517|餌の影響を受ける/サーモントラウトの身の色もそうだ。