(2014年7月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ウクライナ、イラク、南シナ海――。最近は地域的な危機が報じられない日がないほどだ。しかし、一見無関係なこれらの出来事は、実は一本の糸でつながっているのではないか? 米バードカレッジのウォルター・ラッセル・ミード教授はこの点について、フォーリン・アフェアーズ誌に先日発表した論文「地政学の復活」で1つの世界的な仮説を提唱している。プリンストン大学のジョン・アイケンベリー教授による反論とともに、この論文は国際政治の現在のパターンを読み解く1つの切り口を提供してくれている。 ソビエト連邦崩壊後に登場した世界秩序の形態を説明するのは難しいことではない。その主たる特徴は、グローバル化された経済システム、機能する多国籍機関、そして最強プレーヤーたる米国の押しも押されもせぬ役割という3点にまとめられる。最も重要なのは3点目だ。 中国、ロシア、イランは