座談会に臨む前川喜平元文部科学事務次官=東京都千代田区の毎日新聞東京本社で2021年10月19日、手塚耕一郎撮影 岸田文雄首相は今回の衆院選を「未来選択選挙」と銘打ち、最大の争点は新型コロナウイルス対策だと主張している。これに対し、「政治と官僚の関係をどうするか、それこそが争点だ」と異を唱えるのが元文部科学次官、前川喜平さん(66)と、同省出身で教育、文化行政に詳しい寺脇研さん(69)である。31日の投開票日を前に、毎日新聞の与良正男専門編集委員が2人を直撃した。【構成・浜中慎哉、写真・手塚耕一郎】 ――いきなり総選挙に臨む岸田政権ですが、これまでのところ、どう評価していますか。 前川 1998年、就任当初の小渕恵三首相が海外から「冷めたピザ」とやゆされましたが、岸田首相も、例えるなら「冷めたお好み焼き」みたいな印象です。あまり味がしないというかね。結局、自民党内の力関係の中で生まれた政権