奨学金の創設を知らせるパンフレット。学校の愛称「為桜(いおう)」の名を冠した 東京大学合格者に54万円渡します――。茨城県立下妻第一高校(生徒数834人)の同窓会が後輩のためにこんな制度をつくった。生徒の意欲を高め、地域の「名門校復活」を狙うのが目的だ。ただ、「公立高校で、特定の大学の進学者だけに、お金を支給するような制度には違和感がある」という疑問の声も出ている。 対象となるのは今春の合格者から。現役・浪人を問わず、東大へ進む卒業生に1年分の授業料にあたる53万5800円、筑波大医学類には入学金相当の28万2千円を同窓会費から支給する。同校によると、今年は現役生2人が東大を受験予定という。また成績優秀な高校の新入生6人にも年間授業料の11万8800円を渡す。 下妻一高は、1897年に県尋常中学校下妻分校(旧制)としてつくられた地元の伝統校。横倉和夫校長は「昔は大学を志す地域の子なら