京都大の中村秀仁助教らは、ペットボトルに使われる樹脂を改良して安価な放射線測定用のセンサーを開発した。 住民の放射能汚染検査などで使われる測定器は通常、センサーだけで数万円以上もするが、この新素材を使うとコストが10分の1以下に抑えられる。欧州物理学会の速報誌に29日発表した。 センサー用の樹脂は、放射線を浴びると微弱な青い光を発する。この光を電気信号に変換して放射線量を測定する。現在使われている樹脂は、海外の企業がノウハウを持っており、独占販売で値段が高かった。 中村助教は昨年、ペットボトル用の樹脂が、センサーに使えることを発見したが、感度が低いのが欠点だった。今回、樹脂の酸素の含有量を高めたところ、放射線の感度が5倍になった。丈夫で簡単に加工できるためセンサーの大型化も容易にできる。