朝鮮半島情勢に詳しい専門家はどう見るのか。 ■後継体制を軌道に乗せる狙い 軍事アナリストの小川和久さんは「北朝鮮側から山を越えて反対側の、民間人が住む地域を狙って砲撃している。原野や山林ではなく、住宅地を攻撃していて、敵意の強さを感じさせられる」と話す。その砲撃の狙いを「2012年の金日成(キム・イルソン)氏生誕100年に向け、金正恩(ジョンウン)氏による後継体制を軌道に乗せるための行動の一環」と分析した。 北朝鮮では、核兵器の開発につながりかねないウラン濃縮施設の存在が確認されたばかり。「対外的には核開発が本気だと示し、米国を対話のテーブルにつかせようと意図しているのだろう。国内では、強い指導者を望む軍部から正恩氏への支持確立をもくろんでいる」。小川さんは北朝鮮が内外に向けて発した二つのメッセージを読み取った。 ■米国意識した「高度な戦略」 「今回の砲撃は十分予想できた」と話すのは