今年、中国の6・4動乱(天安門事件)から25周年を迎えた。この25年間に現代中国の可能性についての「命題」が数多く消滅し、中国自体が大きく変質してしまった。それが何であるかについてここで改めて確認しておきたい。 消失した命題は、たとえば「経済発展につれて政治の現代化も実現する」である。あえてもう一つ命題を付加したい。「結社の自由の公認は中国経済の発展にとって論理的必然性を有する」である。中国経済の発展のためには付加価値生産性の増大が必要である。経済成長を労働投入と資本投入の2つだけに帰着させてはならない。成長寄与要因としての付加価値生産性を拡大させるためには、研究開発や人的資本の高度化が必要なことは論をまたない。しかしそのためには、結社の自由は不可欠である。ところが6・4動乱以降、政治の現代化は基本的に否定され、その結果、結社の自由に至っては、その可能性がようとして展望できない。間違いなく