昔「日本資本主義論争」と呼ばれた論争があった。1930年代から第2次世界大戦を挟んで60年代まで、マルクス主義者の間で繰り広げられた血みどろの政治闘争である。それは戦前日本が抱えていた貧困や不平等などの原因を巡る論争から出発している。一方の陣営は講座派と呼ばれ、日本の社会を、西欧資本主義がたどった発展経路から外れ、天皇制という独自の封建制の下で固有の「構造」を持ってしまった社会と規定した。他
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「貧乏」というと、自分には縁遠い話と感じる読者がいるかもしれない。たとえば、1984年のバブル初期に発売され、ベストセラーとなった渡辺和博の「金魂巻」を覚えている読者も多いであろう。「マルキン」・「マルビ」というラベルで医者のような職業でもビンボーがいる「驚き」を描き、一世を風靡した。 だが、日本における「格差社会」「生活保護受給者の増大」は、まさに貧困問題の現れである。特に貧困高齢者の健康状態は劣悪だ。他方、日本の子供の貧困率も経済協力開発機構(OECD)諸国の中ではより深刻なグループに属している。そして、貧困が世代を超えて再生産されている可能性も大いにある。こうした日本の「貧乏」の問題が、失われた20年に特有の問題かといえば、そうでもなさそうだ。貧困の問題は、長らく日本の経済学の中心的な課題だった。 大正時代に日本で紹介された経済学の貧困研究 例えば代表的なマルクス経済学者だった京都帝
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