【台北=田中靖人、西見由章】台湾の総統選は16日投開票され、野党、民主進歩党の蔡英文主席(59)が、与党、中国国民党の朱立倫主席(54)ら2候補を破り、勝利した。女性総統の誕生は史上初めて。就任式は5月20日に行われ、総統選挙が直接投票制に移行した1996年以来、3度目の政権交代が実現する。 国民党の朱氏は同日午後7時(日本時間8時)、支持者の前に現れ、「皆さん、申し訳ない。国民党は敗れた」と敗北を認め、党主席の辞任を表明した。 民進党政権の誕生は、陳水扁政権(2000~08年)以来8年ぶり2度目。総統選では、国民党の馬英九政権が2期にわたり進めた中国との融和政策が焦点となった。蔡氏は台湾の「現状維持」を訴え、馬政権路線の継続を掲げる朱氏を終始引き離した。