続き。 四年生はもう就職先を決めてしまっているせいか、近づいてくる気配もなかった。景気のいいうちに行き先を決めたから、今更怪しげな零細企業のおっさんの話を聞く必要もないのかもしれない。 院生は零細企業なんかおそらく眼中にない。……仕事の相手として見れば零細企業側の視点の話は聞いておいても損はないと思うんだけど、彼らがそういう考えを持てるようになるにはたぶんまだ何年も先のことだろう。 さて、三年生。 僕は偉そうに話すのがこの上なく好きな人間だ。一方、集まってきた三年生たちはとても熱心な様子で、何というかクセになりそうなカイカンである。望まれれば、月一回くらい講義に行ってもいいよ、マジで。学生たちがヘンな影響を受けるからって断られる気がするけど。 僕の話は基本的にとりとめなく、企業の業績と採用活動の関係とか、ブラックな派遣企業の見分け方とか、中小零細と大企業のシステムの違いとか、女性プログラマ