コーパスと語彙の間 —語の重み付け尺度の意味付けをめぐって— 影浦 峡 国立情報学研究所 2005 年 3 月 14 日 たとえば、松山恵子の「お別れ公衆電話」という歌は、どこの女中さん[ママ・以下同] もかならず好きで好きでしょうがないわけです。ただ、女中さんたちは、お金もたくさん 持っているわけではないので、レコードプレイヤーは持っていないですが、お手伝いさん に会うとみんな「お別れ公衆電話」がかかりそうな時間、たとえば松山恵子が属している レコード会社が持っている放送時間を楽しみにしていて、たまたまそのときに掃除をする とか、買物に行かないように、その時間をあけて待っているわけです。口づてに教えられ ながら憶えるので、歌詞がちょっとちがったり、節がちがっているが、「お別れ公衆電話」 は知っている。そういう拡がり方をしている流行歌のもう一つの共和国があるわけです。 これは「今