江戸時代の1778(安永7)年に、当時の松前藩が北海道東部のアイヌ民族の有力者に宛てた文書がロシア・サンクトペテルブルクの国立図書館に保存されているのを東京大史料編纂所などの研究チームが発見した。松前藩がアイヌに送った文書としては最古の原本とみられ、松前藩のアイヌ政策を知る上で貴重な史料となる。 文書は松前藩の「蝦夷地奉行」が「ノッカマップ」(現在の北海道根室市)のアイヌ有力者ションコに宛てたもの。内容は(1)けんか・口論の禁止(2)アイヌと和人が交易で使う小屋の火の元の用心(3)和人の漂流船への救助、対応の規定(4)和人の漂流民を和人が滞在する場所まで送り届ける指示-の4項目から成り、これらを守らなかった場合は処罰するとしている。 共同研究者の北海道博物館(札幌市)の東俊佑学芸主査によると、文書は2016年10月に図書館で日本関連の史料を閲覧中に偶然、発見した。(共同)