お約束といえばこの時期は候補者や政策が出そろう前に「次の首相にふさわしい人」という世論調査の結果を新聞が発表する。謎の人気投票をして興行を盛り上げる。新聞は社説では政策論争をと書くが、政治部記者は権力闘争が嬉しくてたまらない。 大きな興行をするときは大きな嘘が必要なのである さて総裁選は「興行」と述べたが、大事なのは売り文句だ。どれだけデカいことを言えるかに尽きる。東京五輪を思い出してほしい。招致委員会は国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルで次のようにプレゼンしていた。 「五輪が開催される東京の夏は温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候です」 海外メディアからは「うそつき」とツッコまれていたが、大きな興行をするときは大きな嘘が必要なのである。事実、東京五輪は招致に成功できたから大きな嘘、いや、夢のような言葉は有効なのだ。 では今回の自民党