統合失調症には肥満の患者が多いとされるが、体形に関する遺伝子を調べると、むしろ「痩せ傾向」の遺伝子を持っている人が多いとの研究成果を、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)などの研究グループが発表した。4日付の国際医学誌「サイコロジカル・メディシン」電子版に掲載された。肥満は生まれつきの体質でなく、薬の副作用や生活習慣などが要因である可能性が高いことを示す成果で、今後、薬や治療法の開発、生活指導などに生かせるという。 この病気は幻覚や妄想の症状が特徴的で原因は分かっていない。 同大の池田匡志准教授(精神神経科学)と名古屋大付属病院の田中聡助教(精神科)らは、白人とアジア人の患者・非患者計約8万7800人の遺伝子データを基に調べた。その結果、肥満度を示す体格指数(BMI)が低い「痩せ傾向」に関わる遺伝子とこの病気に関係する遺伝子との間に、関連性が確認できたという。 研究グループによると、20世紀前半