2004年3月のイラク開戦間もなくの同4月に首都バグダッドが陥落する直前、侵攻した米軍はバグダッド空港などで旧イラク軍に対し特殊爆弾を使用したと疑われてきた。旧政権時代のイラク共和国防衛隊司令官が「米軍は中性子爆弾を使い空港で迎撃したわが軍を一瞬のうちに壊滅させた」と語るビデオをアルジャジーラ衛星テレビがこのほど放映した。戦術核のひとつである中性子爆弾は公式には実戦には未使用とされている。「米軍は密かに使用している」との証言はこれまでに幾つかある。可能性は小さくないものの、いずれもフセイン政権下の要人の発言で、その信憑性の裏づけはなされていない。(斉藤力二朗)