沖縄県石垣島を拠点とする日刊紙「八重山日報」が沖縄本島版の発行を始めて2カ月近くになる。「反米」「反基地」「反自衛隊」路線を貫く「沖縄タイムス」「琉球新報」の2紙が君臨する沖縄にあって、「中立公正な報道の実現」を掲げる第3の県紙は硬直化する報道姿勢に風穴を開けた。沖縄県に変革の胎動をもたらした同紙の挑戦は、蟷螂の斧ではない。 不沈巨艦に竹やりで向かうような戦いは、蓋を開ければ沖縄本島の人々に予想を超える歓迎と期待で迎えられた。 「新聞といえば2紙しか選択肢がなかった県民の多くが『魂の飢餓感』にさいなまされていると実感した」。八重山日報の仲新城誠編集長(43)はそう語る。 ■「事実を客観的に」 沖縄本島の読者に初めて届けられた4月1日の1面トップ記事は、「自民、翁長県政に攻勢-辺野古、前副知事で追及」という見出しだった。自民党沖縄県連が、米軍普天間飛行場(宜野湾市)辺野古移設と安慶田光男前副