トマトジュースの製造技術をめぐり、食品メーカー「カゴメ」(名古屋市)が飲料メーカー「伊藤園」(東京都)の特許の取り消しを求めて知財高裁に提訴した。2日に第1回口頭弁論があり、伊藤園側は請求棄却を求めた。 訴状などによると、伊藤園は、甘味料を加えずにフルーツトマトのような甘みや濃厚な味わいを出す技術を発明したとして、2013年に特許登録。カゴメは特許の無効を訴えたが、特許庁は認めず、カゴメが提訴していた。 カゴメ側は2日の弁論で「『濃厚な味わい』などの具体的な定義が不明で、裏付けるデータも少ない」と主張。伊藤園側は「トマトジュース市場に新たな分野を開拓した、意義がある発明だ」と反論した。 カゴメ広報によると、現在はこの技術を使った製品は販売していないが「業界全体の発展のため、正しい判断をお願いしたい」とコメントした。伊藤園は「現時点でコメントすることはできない」としている。