なぜなら、ゲーム・オーバーは、プレイヤーの現実の死を意味するから。死にたくなければ、クリアを目指しひたすら攻略せよ―――『ソードアート・オンライン』(SAO : Sword Art Online)を読み始めたとき、『クラインの壺』のラストを予感した。だが、嬉しいことに、この斜め上の予想は王道展開に裏切られることになる。 ライトノベル、あわせて読むと、より深い。 同じモチーフでも、時代をずらす、斬口を変える、物語を捻ることで、違う作品に仕上がる。同じ食材なのに、料理人によって別物になるのと一緒。それも、ラノベ同士ではなく、ラノベと、「ラノベ以外」の食合わせの妙を味わう。もちろん、三人目の料理人として自ら混ぜると、より愉しい読書になるやも。 どちらも、ゲームの仮想空間へ意識をダイブさせるもので、ある「事故」が起きるところまで似ている。ただし、テーマもラストも全く違う方向なので、『SAO』のお約
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