ポルボウへ行ってきた。ベンヤミンのお墓参りのためである。 ベンヤミンのお墓は、街はずれの丘の上、海をのぞむ共同墓地のなかにあった。 自然石をつかった墓標がたっている。ベンヤミンのお墓だ。ケルンのように、小石が積みあげられていた。 ただし、ここにあるのは墓標だけだ。ベンヤミンの遺骸が埋められているわけではない。 もともとベンヤミンのお墓は、別の場所にあった。 ここの共同墓地は、集合住宅のような恰好をしている。一画ごとに棺が収められ、区画ごとに番号が振られている。その563番に、かつてベンヤミンの遺骸は収められていた。 写真にあるとおり、しかし、いまは別人が眠っている。 共同墓地の前には、イスラエルの彫刻家ダニ・カラヴァンによる作品「パサージュ ヴァルター・ベンヤミンへのオマージュ」がある。 丘の上から東を望むと、眼下にポルボウのちいさな街と長大な駅舎、そしてピレネーの山々が見える。 そのピレ
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