キミのお金はどこに消えるのか 第二話 マルクスはどこが間違ってた?
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キミのお金はどこに消えるのか 第二話 マルクスはどこが間違ってた?
700ページ以上の大作、さらに経済専門書にも関わらず、世界各国で100万部以上を売り上げた『21世紀の資本』。現在、空前の「ピケティーブーム」だ。なぜ、こんなにも注目が集まっているのか。そして、ピケティはいったい『21世紀の資本』で何を語っているのか。訳者・山形浩生と、経済学者の飯田泰之が語る。紀伊國屋ホールで行われた「ピケティ『21世紀の資本』刊行記念 山形浩生×飯田泰之トークショー 訳者解説プラス」より抄録。(構成/山本菜々子) 飯田 本日は、『21世紀の資本』訳者・山形浩生さんにお話を伺います。ピケティ大流行ですね! 米国では50万部売れたそうですが、現在、日本ではどのくらい売れているのですか。 山形 7刷か8刷で、13万部売れていると聞いています。 飯田 単価を考えると今世紀でいちばん売り上げた経済専門書になるのではないでしょうか。 山形 そうですよね。僕のところに翻訳しろという
21世紀の資本 作者: トマ・ピケティ,山形浩生,守岡桜,森本正史出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2014/12/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (107件) を見る ピケティがらみの話で、そろそろデータを見た人が反論を始めている。そして、日本の状況はちがう、日本はまれに見る平等社会、日本は格差が開いていないどころかかえって狭まっている、よってピケティなんかダメ、という議論をしている。 さて、ピケティを盲信して格差、格差、この世の終わりだ資本主義の宿痾だ革命だマルクス様の復活だついでにアベノミクス許さんとさわぐのはたいへん愚かで恥ずかしいことなので、やめていただきたいところ。金持ち儲かるんだろ、知ってたぜ、常識だフン、どうせオレたち貧乏人はいくら頑張ってもダメなのよ、ついでにアベノミクス許さん、とかいった間抜けな発言は、ツイッターくらいにとどめておいてほしい。 その意味
ピケティ『21世紀の資本』 訳者解説 (v.1.1) 2015.1.23-2.1 山形浩生 hiyori13@alum.mit.edu この資料はクリエイティブコモンズ Attribution-ShareAlike 4.0 国際ライセンス下で公開されています. 今日の構成 • 1. 『21世紀の資本』とピケティのえらさ • 2. あらすじ: r > g から格差拡大へ • 3. 格差是正の処方箋は? • 4. ピケティ本の受容・誤解・批判 • 5. 日本への示唆とは? • 6. 落ち穂拾い 2 まずはじめに…… • ピケティの本と、ピケティの他の論文での記述と、 ピケティがインタビュー等での発言とは、分けて 考えよう! – 本がいちばんストイック。たぶん意図的に書いていな い話もかなりある。 – 前二つは、それなりにきちんと考えてまとめたものだ けど、インタビューは(特に日本のことなんかは
21世紀の資本 作者: トマ・ピケティ,山形浩生,守岡桜,森本正史出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2014/12/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (107件) を見る ピケティ『21世紀の資本』は分厚いし、データも重いし、印象批評以上の批判がなかなか出てこなかった。これは日本はもとよりアメリカでも同じ。でも刊行が半年先行した英語圏では、そろそろまともな反論や批判(いい意味で)が出てき始めた。 現時点で、それを最もうまく(そしてまとまった形で)整理したのが、2015年のお正月にボストンで開催されたアメリカ経済学会大会で、グレッグ・マンキューを座長に開催された、ピケティ『21世紀の資本』をめぐるセッションだと思う。その予稿集がマンキューのブログに挙がっている。 GREG MANKIW'S BLOG: Me at the ASSA Meeting (2015.1.1) 批判の
今回の衆議院選挙では安倍首相はアベノミクスとともに、消費税増税の延期を掲げ、「景気回復、この道しかない」と選挙で訴え圧勝しました。 しかし、シェイブテイルとしては前回衆議院選挙のような「これで日本もデフレから脱却できる!」という高揚感がありません。それはこのままでは日本経済は浮揚するどころか沈没しかねないという懸念が拭えないからです。 はっきり言って、日本経済の最大の問題は、政府債務問題ではありません。 実はあなたの収入が増えないことこそ最大の問題なのです。 今回の衆議院選挙で与党は2/3を超える議席を獲得する圧勝でした。 安倍首相は来年10月の消費税増税こそ延期しましたが、2017年4月には景気条項を外して実施すると約束しています。首相のこの方針は正しい方向なのでしょうか。 ■政府債務と名目GDPの相関 早速ですが図表1を御覧ください。これは名目GDPと政府債務の経時的な変化を国際比較し
GDP [2011] [2001] [2002] [2010] (FRB) PCE FRB FRB FRB FRB PCE B FRB (Bernanke [2011]) PCE PCE Bureau of Economic Analysis. Board of Governors of the Federal Reserve System FRB PCE PCE Bureau of Economic Analysis. FRB FRB FRB FRB FRB FOMC (FOMC) PCE PCE FOMC FOMC PCE FOMC FOMC FOMC FRB (Bernanke [2011]) FOMC PCE FOMC FOMC Variable Central tendency 2011 2012 2013 Longer run Change in real GDP April
マネーのない生活は想像すら難しい。電車に乗るためにも、ランチを食べるためにも、部屋に明かりを灯すためにも、マネーが重要な役割を果たしている。空気や水のように当たり前の存在だと思われるこのマネー、一体どのように生まれたのか。 マネーが生まれる前の社会から、マネーが発明される様子を想像してみよう。マネー以前の社会では、人々は自分が作ったモノと、自分が必要なモノを物々交換していた。いつしか誰かが、物々交換の非効率性に気がついたはずだ。なんといっても、「自分は欲しいモノを持っていて、かつ、自分の持っているモノを欲しがっている人を見つけ」るのは容易ではない。そして、あるとき他の誰かが特定のモノ、多くの場合は金や銀、を「交換の手段」にすることを思いつく。この「特定の手段」を使えば、どのようなモノとも交換ができるようになり、富の蓄積すら可能となった。 このような「マネー誕生物語」はなんとも説得出来である
格差論争 ピケティ教授が語る 10月17日 13時10分 格差は拡大しているのか。どこまでの格差なら許容できるのか。そんな世界的な論争のきっかけとなった本が「21世紀の資本論」です。 著者は、フランスのパリ経済学校のトマ・ピケティ教授(43)。アメリカではことし春の発売以降、半年で50万部のベストセラーとなり、多くの言語に翻訳されています。“ピケティ旋風”の裏にあるのは何か、経済部・飯田香織デスクの解説です。 300年のデータで実証 「21世紀の資本論」は英語版で685ページにも及ぶ、漬け物石のような分厚い本です。特徴をひと言で言えば、何となくみんなが思っていることを「実証」しようとしたことです。 ピケティ教授は、20か国以上の税金のデータを、国によっては300年前までさかのぼって集め、「所得」と「資産」を分析。日本については明治時代から調べています。 その結果、▽資産を持つ者がさら
アベノミクスは、1997年のハシモトデフレの二の舞となるおそれがある。そこで、鉱工業生産指数を詳しく見ることで、ハシモトデフレがどういう経緯をたどったのかを確かめてみることにしよう。これにより、アベノミクスの運命を占おうというわけである。 ……… 当時は、今と違い、デフレでもなかったし、2年連続で2.7%成長を遂げていて、1997年の春闘では2.9%の賃上げも実現していた。それだけの勢いが経済にはあった。これが分かるのが、図における1996年の生産と出荷の「上り坂」である。そして、駆け込み需要により、1997年1~3月に出荷が高まり、在庫が減るという動きが見られた。 4月、消費増税によって、生産と出荷は、いったん落ち込むものの、5月には戻し、7月まで、その水準を保つことになる。これは、現在からすると問題のない動きに思えるが、成長を前提とする経済では深刻な事態だった。出荷が伸びないために、5
Note (2014.08.04) What follows are some rants by the Japanese translator of "Capital in the 21st Century." I realized that it can be taken out of context (and that some people actually do such things), so I guess I need to explain what's going on. The whole piece was intended to serve as a half-joke expectation management. In Japan, there was some false rumor about the timing of the Japanese trans
ポール・クルーグマン「ピケティ・パニック」---格差問題の言及者に「マルクス主義」のレッテルを貼る保守派はこれにまっとうに対抗できるのか? 『現代ビジネスブ レイブグローバルマガジン』---「ニューヨークタイムズ・セレクション」より フランスの経済学者トマ・ピケティの近著『21世紀の資本論』は、正真正銘の一大現象だ。これまでもベストセラーになった経済書はあったが、ピケティ氏の貢献は他のベスセラーの経済書とは一線を画す、議論の根本を覆すような本格的なものと言える。そして保守派の人々は、すっかり怯えている。 そのため、アメリカン・エンタープライズ研究所のジェームス・ペトクーカスは「ナショナル・レビュー」誌の中で、ピケティ氏の理論をこのままにしておけば「学者の間に広がり、将来、すべての政策上の論争で繰り広げられる政治的な経済情勢を塗り替えることになる」ので論破しなければならないと警告している。
2013-05-17 NHK『メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオⅡ』が見落とした1993年のミッドウェイ 経済記事ピックアップ 5/11・12日にNHKスペシャルで『メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオⅡ』を放送していました。さすがに企業への取材はしっかりしたものでしたが、残念だったのは、1980年代に世界の頂点に立った日本の製造業が90年代に入ると一転して大苦戦することになった原因を深く究明することなく、「日本型経営の再評価」や「ブランド戦略」、「国の産業支援政策」といったありきたりのシナリオの提示で終わってしまったことです。 日本企業の経営戦略に問題があったことに異論はありませんが、あまりにも急な「戦況悪化」や、なぜ自ら競争力を弱めてしまう経営戦略に走ってしまったのか、という原因まで遡って究明しなければ、同じ過ちを繰り返すことになりかねません。 製造業の大苦戦と「失われた20年」
財政規律について、ドイツを称賛・日本を批判する内容ですが、その原因が考察されていない底が浅い記事です・ ドイツにできて日本はできない財政再建 (BLOGOS) 何が日独の財政状況の違いをもたらしたのかを考察すると、外交問題にも通じる日本の病根が見えてきます。 日独の財政状況の違いをもたらしたのは経常収支です。【「預金封鎖」の記事と経常収支赤字化の懸念】でも言及しましたが、日本の経常収支には「15兆円(GDP比3%)の天井」が存在しました。1980年代から1990年代後半まで、日本の経済力と対日貿易赤字の拡大を警戒したアメリカ政府は、日本に経常収支黒字の抑制*1を要求し、日本もこれに従ったためです。そのための方策が、 輸出を抑制するために円相場を割高に保つ&海外生産促進(→空洞化) 減税・財政出動による内需拡大(→財政赤字)*2 でした。日本経済の弱体化の遠因です。 一方ドイツは、旧東独の
注:写真と本文はあまり関係ありません。 岩田規久男は、日銀副総裁になってから一部の人に引きこもりとまで揶揄される露出の少なさで、人前に顔を出すのは久々という感じ。で、今日は如水会館で講演があったので、のぞいてきたよ! ……といっても、先日の黒田総裁講演もあるので、そーんなに期待していなかったんだけれど、結果的にはかなりおもしろかった。 講演本体 客は、月曜午前という時間帯なので仕方ないことだが、暇そうなジジイ比率がきわめて高く、これが後で禍根を……でもあとは結構まじめそうな人々。で、中身だが、まあ四の五の言わずにこの配布資料を見ろや。どんな話をしたかわかるでしょ。日銀の公式発表です。 2014.06.30 岩田規久男講演会資料とメモ(pdf 880kb) でも、いろいろな指標をまとめて並べてくれているので、わかりやすい。あと、フィリップス曲線は明解ですな。あと、「日銀のコミットメントとは、
Paul Krugman, “An Innovation Lesson From Germany: Less Disruption, More Quality,” Krugman & Co., June 20, 2014. [“Creative Destruction Yada Yada,” June 16, 2014; “German Labor Costs,” June 17, 2014] 創造的破壊についてドイツが教えてくれること:破壊はやめて高品質を by ポール・クルーグマン John W. Adkisson/The New York Times Syndicate ジル・ルポアが『ニューヨーカー』誌にすばらしい記事を書いてる.ビジネスでも他のどんなことでも「破壊的イノベーション」こそが成功の秘訣だというインチキ話を,ルポアは反駁している.たんにあの手の話を小馬鹿にしてすませずに
偉ぶらない語り口が酒井泰弘先生の魅力で、『ケインズは今なぜ必要か』(ケインズ学会編)に収められた講演も、そんなヒューマニティーが読み物として楽しいものにしている。もちろん、中身の方も経済の本質を考える上で、なかなか含蓄が深いものだ。今回は、先週に続き、長老による講演で「リスクの経済学」を堪能することにしよう。 …… 講演の白眉は、「ケインズ革命の本質は、確率統計で計量できるような「単なるリスク」の分析にあるのでは決してありません。それよりむしろ、もっと遥かに広く「蓋然性」や「不確実性」の概念を市場経済のワーキングにドッキングした所にあるのだ、ということです。」の部分だろう。その上で、ケインズの経済学の核心は、「不確実性」にあり、古典派的な経済学は、その問題を軽視ないし無視しているとしている。 リスク論の源流は、先生の指摘するとおり、F・ナイトによる「測定可能なリスク」と「測定不能な不確実性
(後編 バブルの論理) マクロ経済を観察していると、景気後退が緩ければ、金利を下げて調整することが可能でも、これが急であると、金利での調整がまったく効かない状態に陥ってしまう。そして、更に激しい場合には、デフレがデフレを呼んで加速するようになる。ここまでひどくなることは滅多にないが、大恐慌の時の米国のように、不況に怯える民間だけでなく、政府までが赤字を嫌って緊縮財政を始めたりすると、起こり得ることである。 こうした状態の変化が見られるなら、「相転移」を考えなければならない。相転移とは、気体が液体に変化するようなことであり、ファン・デル・ワールスの状態方程式は、それを表現している。相転移は、二つの因子のせめぎ合いで生じる。実在気体なら、分子の運動エネルギーと分子間力が、それに当たる。この二つが釣り合っているところで、相の状態の変化、すなわち、液化(凝集)が起こる。 マクロ経済を相転移で捉える
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