18世紀、船の大型化と航海技術の進歩により、頻繁に寄港することなく航海が可能なになった。こうしたことにより猖獗を極めた病がある。「壊血病」だ。壊血病とはビタミンC(アスコルビン酸)の欠乏により起こる病だ。壊血病になると身体の結合組織の細胞が変性を起こし、歯茎の腫れと出血、歯がぐらつく、口臭、無気力、倦怠感、古い傷口が開く、接骨した骨が外れる、などの症状があらわれ、放っておけば苦しみながら死にいたる。 当時の船乗りの食事は、腐った肉、悪臭を放つチーズ、カビが生え、虫のわいた乾パンなどといった悲惨な内容で、高カロリーではあったが、新鮮な食糧、とくに野菜とは縁がなかった。船上で口にできる食糧にはアスコルビン酸がほとんど含まれていない。ちなみに健康体の人の体内には900から1200ミリグラムのアスコルビン酸が存在し、一日に必要なアスコルビン酸の量は50ミリグラム、体内のアスコルビン酸が500ミリグ
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