「シリア」と聞くと、どんなイメージが浮かぶでしょうか? おそらく「怖い」「テロ」「内戦」「イスラム国」といった辺りでしょう。ニュースで見ない日がほとんど無いくらい、聞こえてくるのは悲しい話ばかりですから。 ですが、エジプト特派員時代を含めたこの20年、中東の様々な国を見てきた僕に言わせれば、心優しい人々に接した機会が一番多かったのがシリアだった気がします。 かつて、といってもほんの5、6年前まで、世界をまわるバックパッカーにとって、シリアは中東で欠くことのできない国でした。レバノン→シリア→ヨルダン→イスラエルという定番ルートを歩んだ旅人も少なくないでしょう。 今回は「本当はそんな国ではなかったのに…」という思いを抱きつつ、僕のアルバムに残る「今となっては行けないシリアガイド」をお届けしたいと思います。 シリアに観光で行くと、現地の人からは大抵「パルミラはもう見たか?」と言われたものです。