他国に比べても「特殊で不公平」だという日米地位協定の問題点について、伊勢崎賢治氏が緊急解説! 米軍による蛮行が沖縄で繰り返されるたびに問題になる「地位協定」とはそもそもなんなのか? 他国と比べて日米の協定はいかに不平等か? 参院選を控える今こそ、日本人すべてがこの問題にしっかり向き合うべきときではないだろうかーー。東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授で、世界の紛争の現場に詳しい伊勢崎賢治(いせざき・けんじ)氏に聞いた。 ■地位協定を生んだ米ソの冷戦構造 ―今年4月、沖縄県うるま市で、米軍関係者による日本人女性への強姦(ごうかん)殺人事件が起きてしまいました。しかし日米の両政府は今回も「地位協定」の改正には一切踏み込まず、「運用の改善」で済まそうとしているようです。 伊勢崎 予想どおりですね。今の地位協定は1960年に締結されて以来、事実上一度も改正されていません。これは国際的に見れば極