ルーブルを筆頭に多くの美術館がひしめくパリ。ほとんどが西洋美術の美術館のなかで、一味違う美術工芸作品に出会えるのがケ・ブランリー美術館です。アジア、アフリカだけでなく、オセアニアや南北アメリカまでもカバーしており、西洋以外の美術を網羅しているのです。西洋の重厚な美術に触れた後、ダイナミックなのに素朴さや軽妙さがある非西洋の美的世界に浸ることができるのも、パリならでは楽しみです。 セーヌ川を左に、エッフェル塔を右にケ・ブランリー通りを進むと、ガラスを使ったモダンな外壁が目を惹きます。正式名は、ケ・ブランリー・ジャック・シラク美術館。日本美術の愛好家でもあった、シラク元大統領の名前を冠した国立美術館です。 著名な建築家ジャン・ヌーヴェルの設計によるカラフルな建物も素晴らしいのですが、ジル・クレモンによるのびのびとした庭園や、パトリック・ブランによる外壁の垂直庭園(壁に植栽している)も魅力的で、