宇宙太陽光発電所、松本紘著、1,260円(税込)、新書、254ページ、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年6月 東日本大震災によって発生した福島第一原子力発電所の事故から、すでに9カ月が経過しようとしている。しかし、現在も、まだ収束の見通しがたっていない。それまで原発は地球温暖化対策に最も適したクリーンなエネルギーとして扱われていたが、一転して災厄をもたらしかねない危険な施設と見なされるようになってしまった。 その一方で、風力発電や太陽光発電がにわかに脚光を浴びている。しかし、発電容量が小さいこと、曇りで無風の日には発電できないことなどから、原子力に代わる基幹エネルギーとなることは難しそうだ。では、どうするのか。このまま残り少ない化石エネルギーを燃やし続けなければならないのか。 いや大丈夫。地球だけでは問題が解決しないなら、宇宙に目を向ければいい。――そう主張するのが本書だ。 「地