「微細化=性能向上」の終焉 銅汚染という新たな問題が浮上 さて、ここからは連載239回の冒頭で書いた「Free lunch」の説明に入りたい。Free lunchというのは直訳すれば「無償の昼食」だが、要するに「プロセスを微細化しさえすれば性能改善が手に入った」時代を指す。これはおおむね180~150nm世代までである。 では「Free lunchが終わった時代」とはなにかというと、「微細化だけでは性能改善に足りないので、色々と策を講じる必要が出てきた時代」である。その最初のものが130nm世代である。配線の微細化を進めてゆく過程で、配線が細すぎて配線抵抗が上昇するようになった。これは以下の問題がクローズアップされるようになった。 ※2:コンデンサー(寄生容量)と抵抗(配線抵抗)により、RC回路と呼ばれるものが生成されてしまい、これが信号遅延の原因となる。 この解が配線材料の変更で、アルミ
SuVoltaは、Deeply Depleted Channel(DDC)というトランジスタ構造を発明し、その技術をライセンスする会社である。しかし、LSIを作って実証しないと中々信じてもらえないので、各社とタイアップしてDDC技術を製造プロセスに取り入れ、LSIを作るという努力を行っている。 SuVoltaは昨年のHotChips 24でもDDCの原理とメリットについて発表を行ったが、今年はCortex-M0プロセサを実際に製造して、消費電力を半減という具体的な成果を発表した。なお、Cortex-M0はARMの組み込み用のコアで、IoTの時代には大量に使用されると見られている。 SuVoltaのDDCトランジスタは次の図のような構造になっている。なお、この図では、ゲート絶縁膜は描かれていないが、当然、存在する。ゲート絶縁膜の直下にはドーピングなし、あるいはごく薄くドープされた厚みの薄いシ
外付けHDDが上手く動作しない、スマホが充電されなくなった……。それはもしかしたらUSBポートがイカれてるのかもしれない。「USB Power Meter」はUSBポートの性能を測定するチェッカー。電力が正しく供給されているかを測定できるぞ。 「USB Power Meter」は、USBポートの性能の測定器だ。最近のUSB機器のほとんどが、USBから電力も供給されるUSBバスパワー方式。USB機器が正しく動作しない場合、この電力が不足しているケースが非常に多い。 「USB Power Meter」は、USBポートとUSBケーブルの間に設置することで、消費電流/電圧とピーク電流/電圧をチェック。ポートの異常を数値を比較することで、調べられるのだ。 どうも最近、USB機器の不具合が多いと感じたら、このチェッカーで測定してみよう。 ・USB Power Meter
今回から2回に渡って、PCなどに利用されるATX電源の修理で垣間見た“悪い設計”を実際の修理手順を追いながら、紹介する。今回は、実装設計上の不具合を製造面でカバーしたものの、結局は動かなくなってしまったATX電源を修理する。 →「Wired, Weird」連載一覧 部品の修理業務を始めて、そろそろ1年半が経過した。この1年半で多くの部品の修理を手掛けることができた。修理品にもいろいろあった。不良箇所が明確で簡単に修理できたものや、半月ほど時間をかけてじっくり調査し何とか修理できたもの。全く手に負えなかったものも多数あった。 部品の修理を行うには、事前にその部品の仕様や回路と構造を理解した上で行わないと、かえって修理部品を壊してしまうことがある。このため、修理前に可能な限り部品の情報(マニュアル、回路図など)と依頼先の不具合情報を収集し部品への理解度を高める準備作業が重要だ。 修理品にみる“
プリント配線板を生産していた田中貴金属工業鶴岡工場は2012年10月、沖電気工業の買収によりOKI田中サーキットへと生まれ変わった。同工場は高い技術力を誇り航空・宇宙、防衛関連での実績がある一方で多品種少量生産型のビジネスモデル転換に悩んでいた。しかし、買収後1年でその状況は抜本的に変わった。その舞台裏には何があったのだろうか。OKI田中サーキット 代表取締役社長 野末正仁氏に話を聞いた。 「国内市場の縮小」「生産による差別化要素の減少」「国内コストの高止まり」などから、日本の生産拠点は“リストラ候補”とされる厳しい環境に置かれている。しかし、日本のモノづくり力はいまだに世界で高く評価を受け続けており、“国内生産による差別化”を強みとする生産拠点も数多く存在する。今回開始した連載「メイドインジャパンの現場力」では、日本ならではの強みを発揮し、世界に存在感を発揮する日本の生産現場に焦点を当て
京セミは、レーザー光を、光ファイバを介して電力に変換するデモンストレーションを行った。変換効率は34%。電気的に完全に絶縁できるので、EMI(電磁干渉)が強い環境下での電力供給に適しているという。 京セミは「InterOpt 2013」(2013年10月16~18日、パシフィコ横浜)で、光給電コンバータIC「KPC8-T」のデモを行った。具体的には、波長が1300~1600nmのレーザー光を電力に変換し、小型の風車を動かすというもの。 KPC8-Tは外形寸法が1mm角で、8個の受光面が直列に並んでいる。光ファイバの中を通ったレーザー光が受光面に当たり、電力に変換される。電気的に完全に絶縁できるので、銅線ケーブルなどのメタル線では困難だった防爆対策が必要なプラント内や、EMI(電磁干渉)が厳しい環境下での給電に適しているという。 KPC8-Tの出力は最大3V、20mAで、変換効率は34%を達
日東電工は、高機能化する電子機器に向けて開発した光電気混載ケーブルを「FPD International 2013」(2013年10月23~25日、パシフィコ横浜)に出展した。高速化やノイズフリーが要求されるノートパソコンやカメラ、医療機器などへの搭載を想定している。同社として光電気混載ケーブルを展示会で見せるのは初めてである。
可変周波数の発振器を構成する方法として、NORゲートを2個用いたRC発振回路を考案した。この回路による可変周波数範囲は広い。 VCO(電圧制御発振器)はアナログ回路である。デジタル・プログラマブル・チップのライブラリーには含まれていない。信号の同期やクロックの逓倍でVCOが欲しいときには、ANDゲートやNANDゲートなどの標準論理機能を利用する必要がある。 可変周波数の発振器を構成する方法はいくつかある。例えば、バラクター・ダイオードを用いることによって周波数を変えられる。ただしこのダイオードは、電圧変化に対する周波数変化が小さい。従って、1個のインバーターと複数のコンデンサーで構成される一般的なピアース(Pierce)発振器では使いづらい。 別の案としてシュミット・トリガー・インバーターと、可変の充電抵抗を利用する方法がある。これは動作はするものの、ヒステリシスのばらつきが大きい。また、
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