今月のお題は、厳密にいうとあまり2月のニュースではない(1月と3月のニュースが混じっている)のだがご容赦頂きたい。今月のお題は小容量FPGAについてである。 最小構成でも大容量、AMDの新Spartan AMDは2024年3月5日に「Spartan Ultrascale+」を発表した(「エッジ向け「Spartan UltraScale+」、AMDが発表」)。ここでポイントになるのは、最小構成の「SU10P」でも11K LCとかなりの大容量になっていることだ。オンチップメモリも1.77Mビットとかなりの容量である。これだけあれば、実はMicroBrazeどころかフルスペックのRISC-V(RV32I)を動かしてまだ余裕がある回路規模であって、既にGlue Logic向けを完全に通り越している気がしなくもない。もちろん、前世代の「Spartan-7」も2035年まで提供されることが明言されてい
英Armは11月23日、Cortex-Mファミリーの新製品として「Cortex-M52」を発表した。これに関して日本法人であるアームより事前説明があったので、この内容をお届けしたい。 今回発表された「Cortex-M52」であるが、製品ポジションを筆者なりにまとめたのが図1である。 図1:Cortex-M52の製品ポジション ラフに言えばCortex-Mの初代がArm v7-Mを搭載するCortex-M0/M0+/M3/M4/M7のラインナップで、これがCortex-Mシリーズの基本となる。次に、そのArm v7-MにTrustZoneの実装を追加したのがArm v8-Mで、これはCortex-M23とM33/M35Pの3製品が用意される。Cortex-M35Pはちょっと聞き慣れないが、Cortex-M33にAnti-Tamper性を持たせたSecure Processorであり、2018
Raspberry Pi 5はRTCモジュールを搭載しており、HATなどの周辺機器を使わずとも時刻を保つことができます。さらに、RTC用のバックアップバッテリーを接続すれば電源切断時でも時刻を維持可能とのこと。インターネットに接続しない遠隔監視用途などで便利そうだったので、バックアップバッテリーを接続して時刻を維持する手順やバックアップバッテリーに二次電池を使う手順をまとめてみました。 Raspberry Pi 5 – Raspberry Pi https://www.raspberrypi.com/products/raspberry-pi-5/ Raspberry Pi Documentation - Raspberry Pi 5 https://www.raspberrypi.com/documentation/computers/raspberry-pi-5.html ・目次 ◆1
はじめに しまねソフト研究開発センター(略称 ITOC)にいます、東です。 教育用ワンボードマイコンとして販売されている Raspberry Pi (以下ラズパイ)は、教育用のみならず実験用、産業用とさまざまな分野で使われつつあります。一方、マイクロSDカードをメインストレージに使用している事や、OSがクライアントPCよりの設定にしてある事などから、長期安定運用には向かない面も存在します。 このレポートでは、OSや稼働させるソフトウェアの設定など、できるだけ簡易に再現可能な方法により、可能な限りラズパイを安定して長期運用させることを狙います。また、その題材として、デジタルサイネージ(*)を作ってみます。 私は、2000年ごろからフラッシュメモリを使ったFA機器の開発を皮切りに、10年ほど前からは民生用フラッシュメモリ(CF,SD,USBメモリ)を起動デバイスとした機器を開発・運用していまし
「Intel Pathfinder for RISC-V」のWebページ 以前は、「Intel Pathfinder for RISC-V」と呼ばれたRISC-Vをサポートするプログラムの概要が説明されていたが、終了を告げるアナウンスページに書き換わっている。このプログラムの利用を検討していたベンダーは、突然はしごを外されてしまった。 2023年1月、「RISC-V」に関して相反する2つの方向からの動きがあったのでまとめておきたい。 GoogleがAndroidをRISC-Vに対応 第一の動きは、前向きな方向の話だ。 Googleが本格的にRISC-V用のAndroidをサポートするという話である。サポートするといっても、今すぐにではなく、まだまだ先の話ではあるようだが。 だいたい現時点では、卵が先か鶏が先かという状態であるのだ。組み込み用途向けのRISC-V搭載マイコンは多数現れていて、
1月にクラウドファンディングサイトのCAMPFIREで大きな注目を集めるプロジェクトの募集が始まりました。「MSX0 Stack」と呼ばれる8ビットMSXパソコンを蘇らせ、IoT用のコンピュータとして利用できるようにするというものです。 オリジナルのMSXが発表されたから40年が経過しています。なぜ、この規格の生みの親でもある西和彦氏は、今のタイミングでMSXを復活させようとしているのでしょうか。 西氏への取材を通じて伝わってきたのは、このMSX0は単純な過去のハードの懐古的な復活を目的しているのではなく、MSXという扱いやすいハードを通じてのIoTパソコンへと拡張していくことへの並々ならぬ意欲です。 新型のMSXは、現在クラウドファンディングが実施されているMSX0のほかに、今後の発売が予定されている「MSX3」と「MSX turbo」が予定されています。今回の前編では、まずMSX0につ
組み込み端末のアプリケーションに Electron を採用し開発・運用を行っています。 継続的な機能追加やトラブルサポートを行いながら 3 年が経過したので、Electron を採用した経緯や結果を経験を交えながら共有したいと思います。 組み込み案件自体が初めてでしたのでその話も入っています。 約 700 台ほど導入されており、なかなか大きな案件での採用と思いますので参考になれば幸いです。 ※Electron の基本的な説明は割愛します。 システムについて 一般的に「受付精算機」などと呼ばれ、店頭に何台か並べて設置して自動で受付・精算を行うシステムです。 ホテルの受付端末のイメージです。ハード的にはセルフレジにも近いです。 筐体自体は他社が用意し、弊社はその上に載せる GUI アプリケーションのみを担当しました。 機能 主な機能として 来店受付・整理券発行 予約チェックイン チェックアウト
Amazonのアソシエイトとして、ラズパイダ(raspida.com)は適格販売により収入を得ています。詳しくは当サイトのプライバシーポリシーをご覧ください。 Raspberry Pi 4でもUSBブートが正式に出来るようになりました。いわゆるstable(安定版)のbootloaderがリリースされています。 当時、2020年7月31日版としてリリースされたbootloaderは現在も細かなバージョンアップが続けられています。ラズパイをUSBブートにする方法は比較的に簡単な作業で実行できます。 一度bootloaderの設定をしたラズパイ本体は、基板にあるフラッシュROMに書き込むため、何度も同じことをしなくても大丈夫です。 設定後は、microSDカードに何も挿入せず、(OSがインストールされた)USB接続のSSDドライブを繋ぐだけで起動することが可能になります。 そんなには難しくない
2021年3月5日に、mruby 3.0.0 のリリースがされました。おめでとうございます! mruby.org これに関連してなのか、mrubyをこれから始めようとか、ここのところどうなっていますかという質問をちょくちょく受けたり、ツイートを拝見したりするようになりました。 一方で、どうしても情報が古い、あるいは多くのmgemのメンテナンス状況が悪いように見える、などの初学者にとっては難しい状況が広がっており、厳しい気持ちになったり、厳しい感想を述べたりされている方もいるように思います。そして、その感想中には誤解も含まれているようです。 ここでいったん、少しでも「心構え」ができるように、これから触ってみる方々に対しての自分の考えをまとめておこうと思いました。 (さらにいうと、基本的に本原稿はいちユーザ、それもWebインフラに関わるユーザとしての解釈なので、Matzをはじめとした他のmru
日本で話題にならない中国発のRTOS「RT-Thread」がじわじわと勢力拡大中:リアルタイムOS列伝(8)(1/3 ページ) IoT(モノのインターネット)市場が拡大する中で、エッジ側の機器制御で重要な役割を果たすことが期待されているリアルタイムOS(RTOS)について解説する本連載。第8回は、日本以外でじわじわと人気が出始めているRTOS「RT-Thread」を取り上げる。 「RT-Thread」は日本ではほとんど話題になっていないリアルタイムOS(RTOS)である。ただし、オープンソースベースでの開発がもう15年ほど続いており、広範な(しかも最近の)プロセッサのサポートや軽量といった特徴も相まって、(日本以外で)じわじわと人気が出始めている。 ⇒連載記事「リアルタイムOS列伝」バックナンバー 2006年のプロジェクト開始から機能を順次拡大 プロジェクト開始は2006年で、2009年に
この度、Raspberry Pi Zero W搭載のテンキーボード「Keybow」を購入しました。 LUAスクリプトで複雑なキーマクロが組めるのが特徴の製品ですが、コントローラがラズパイなのでもう何でもできるじゃんと思ってポチー! 製品の特長はあっきぃさんのブログが詳しいです。 akkiesoft.hatenablog.jp しかしながらこれ。 ファームウェアに通常のRaspbianじゃなくて専用の軽量OS「Keybow OS」が採用されているのですが、まぁ出来ることが少ないと。 例えば無線LAN経由でRqspberry Pi Zero Wにsshでログインしてキーコンフィグファイルを直接編集したいなーと思っても、ざっとwpa_supplicant,openssh_server,vim,nanoなんかが足りないと。apt-getもgccも無いから割と詰んでるなぁと。 よく考えたらこれ別にO
IoT(モノのインターネット)市場が拡大する中で、エッジ側の機器制御で重要な役割を果たすことが期待されているリアルタイムOS(RTOS)について解説する本連載。第5回は、プロセッサコアIPベンダーのArmが独自に展開する「Mbed OS」を取り上げる。 ArmのリアルタイムOS(RTOS)「Mbed OS」は過去に何度か取り上げさせていただいた。最初は2014年のこちらの記事で、次いで2015年のこちらの記事、mbed 3.0の話、連載「IoT観測所」の第13回と第39回、そして2018年の「Mbed Linux OSに」絡んだ話といった具合だ。 加えて言うなら、2020年7月にArmがISG(IoTサービスグループ)を切り離すという報道があり、Mbed OSはどうなるのか? と思っていたら、最近になってロイターがこの計画が中止になったと報じている。これが事実ならまぁ一安心ではあるのだが、
最近ではArm、RISC-Vなど組み込みでも華々しい活躍を見せているRISCプロセッサ。その歴史的経緯を、IT史に詳しい大原雄介さんが解説する。 ARM(現在はArm)の成功は、また別の形で業界に影響を及ぼすことになった。つまり「適当なプロセッサがなければ、自分で作ればいい」というトレンドである。1980年代後半といえば、まだASIC(Application Specific IC:特定用途向けIC)を使うことが多く、国内でもNEC、富士通、日立、東芝、シャープといった大手だけでなく、もっと小さなメーカーもASIC製造に参入していた。 実際、筆者が昔いた会社では、ヤマハに製造を委託することもあった。もっとも、当時のヤマハは規模こそ小さかったものの、97年にIntelに買収された米半導体企業Chips & Technologiesの製品の製造を受諾していたりしていたから、知名度はそれなりにあ
アマゾン買収から2年半、「Amazon FreeRTOS」は最も手頃なRTOSに:リアルタイムOS列伝(2)(1/3 ページ) IoT(モノのインターネット)市場が拡大する中で、エッジ側の機器制御で重要な役割を果たすことが期待されているリアルタイムOS(RTOS)について解説する本連載。第2回は、アマゾンの買収によってRTOSのメインストリームに躍り出た「Amazon FreeRTOS」について紹介する。 連載「リアルタイムOS列伝」の第2回、というかここ10年のリアルタイムOS(RTOS)の動向を概説した前回を除いて実質的な第1回になる今回は「Amazon FreeRTOS」をご紹介したい。 ⇒連載記事「リアルタイムOS列伝」バックナンバー Amazon FreeRTOSの話は、アマゾン(Amazon.com)による買収を受けてのこちらの記事で触れているが、簡単に説明すればもともとはリチ
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