自民党総裁選でにわかに注目を浴びているのが「解雇規制」だ。「規制を見直す」と口火を切ったのは、小泉進次郎氏。しかし、リストラ推進策と受け止める人から批判が巻き起こった。旗色が悪くなったためか、最近はトーンダウンした。ともあれ、生活の安定を失う「解雇」という言葉に人々の心はざわつく。市井の声に耳を傾けつつ、あるべき日本の労働市場とは何かを考えた。(木原育子、森本智之)
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関し、岸田文雄首相が党としての処分や再発防止策の検討を表明して幕引きを急いでいる。安倍派や二階派の幹部らは衆参の政治倫理審査会で「知らない」「分からない」と繰り返し、裏金づくりの経緯は解明されていない。このまま処分や再発防止を進めても、国民の信頼回復は難しい。野党はさらなる政倫審の開催や、安倍派幹部らの証人喚問での徹底追及を要求し、実態解明を迫る。(大野暢子) 立憲民主党と日本維新の会、共産党、国民民主党は19日の野党の国対委員長会談で、自民議員計10人の衆参政倫審での弁明について「実態の解明には全くつながらなかった」との認識で一致。政治資金収支報告書にキックバック(還流)の不記載があった衆院議員51人のうち、まだ弁明していない45人の政倫審への出席を求めた。 政倫審の審査は、疑惑について弁明したい議員本人が申し出るか、衆院では25人いる委員の3分の
4日の参院予算委員会では、自衛隊の戦車やミサイル生産を受注する三菱重工業が自民党に政治献金し、経営幹部が政策に影響を与える防衛省の有識者会議のメンバーを務めていることを巡って、質疑が繰り広げられた。立憲民主党の辻元清美氏は、利害関係者を有識者会議に入れるのは控えた方がいいと追及。岸田文雄首相は「寄付によって左右されるものではないと考えている」と述べ、問題ないとの認識を示した。(川田篤志) 辻元氏は、防衛省、自衛隊の元幹部や大学教授ら計17人で構成する「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」のメンバーに三菱重工の宮永俊一会長を選んだ政府の対応を問題視。「防衛省と利害関係者じゃないか。企業のためにも利害関係者は入れない方が良い」と指摘した。首相は「実際に防衛産業に関わっている方から意見を聞くのは不自然ではない」と主張した。 防衛力の抜本的強化に関する有識者会議 2022年12月に閣議決定した国
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、不記載が5年間で総額約13億5000万円もあった安倍派の幹部4人が出席した1日の衆院政治倫理審査会。いつ裏金づくりが始まり、なぜやめられなかったのか。国民が抱く不信と疑念に対し、4人は「反省」を口にしたが、詳細は「知らない」「存じ上げない」と異口同音に繰り返した。裏金を国会の議員事務所で保管して秘書の判断で支出していたのに、納税を否定するなど、国民感情を逆なでするような責任逃れの弁明が相次いだ。(井上峻輔) 裏金づくりがいつから始まったかについて、安倍派で事務総長を務めた西村康稔前経済産業相は「歴代会長と事務局長との間で長年慣行的に扱ってきたことだ。判然としない」と回答。塩谷立元文部科学相も「二十数年前から始まったのではないかと思うが、明確な経緯は承知していない」と述べるにとどめた。
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関し、自民が派閥から所属議員に渡されたお金を「還付金」だと言い張っている。国税通則法などに登場する用語で、本来は国民が誤って所得税を納めすぎた場合などに返還される正当な金銭を指す。自民は記者会見などで多用しているが、政府与党から使い方をただす声は上がっていない。 自民が15日に公表した所属議員への聞き取り調査の報告書では、ノルマを超えてパーティー券を売った議員に渡されたお金を「還付金」、議員が派閥側に渡さずに保管したパーティー券収入を「留保金」と名付け、正当性を印象づけた。裏金事件の主な舞台となった安倍派幹部らも還付金という言葉をたびたび使い、党内でも定着している。
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて解散を決めている安倍派(清和政策研究会)は1日、最後の議員総会を党本部で開いた。複数の出席議員から、幹部に政治責任を取るよう求める意見も出たが、塩谷立(しおのや・りゅう)座長は「歴史ある派閥を閉じなければならない。断腸の思いだ」などと述べるにとどめ、明確な回答を避けた。派閥に残る多額の資金の使い道についても、方向性は定まらなかった。(佐藤裕介) 総会では、派閥の解散手続きを進める「清算管理委員会」の設置を決めた。清算委は派閥に残った多額の資金の処理にも当たることになる。塩谷氏や松野博一前官房長官ら常任幹事会の15人が清算委の業務に当たる方針を確認。清算委の下に、外部有識者のほか、弁護士や公認会計士の資格を持つ議員による作業チームを設置する。 自民党安倍派の議員総会であいさつする塩谷立座長(奥左から2人目)。座長と並び着席しているのは左から世耕弘
自民党派閥の裏金事件を受けた政治改革の中間取りまとめに、批判が相次ぐ「政策活動費」の改革は盛り込まれなかった。使途不明で、金額もケタ違いの「ブラックボックス」をどう考えているのか。通常国会が開会した26日に登院した自民党議員を、東京新聞「こちら特報部」が直撃した。 (木原育子) 政策活動費は、政党から議員個人に支出される政治資金。例年、幹事長を筆頭に党幹部に「山分け」される。党の収支報告書には支出先の議員名や金額を記載するが、受け取った議員側に記載義務はない。自民党は2022年だけで他党を圧倒する14億円を支出。パーティー券裏金問題で不記載が判明した安倍派の6億円超(5年間分)、二階派の2億円超(同)をはるかに上回る。
自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件を受け、安倍派の解散が決まったことについて、安倍派に所属する杉田水脈衆院議員は議員総会後、報道陣の取材に応じた。「国民の皆さまへのやっぱり政治不信を招いてしまったということでは解散はやむを得ない」と語った。 一方で、自身がパーティー券収入で派閥からキックバックを受けていたかについては「派閥の方で固まった後に個々の事務所の方という形になってくる。まだ私の方では分かっていない部分もありますので、またそういう時になりましたら説明をさせていただきたい」と述べるにとどめた。 「額は大体、何十万とか何百万か」と尋ねられると「ちょっと私はまだ大体もちょっと聞いておりません」と釈明。「何か意図的なものではない?」と質問されると、「ではないです。私も全く存じ上げてなかった」と語った。
不適切な生活保護費の支給が問題となっている群馬県桐生市が、20代の男性受給者に市との委託契約関係がない県内の民間団体を紹介し、保護費の管理を委ねるよう勧めていたことが分かった。男性と契約した団体は通帳と銀行印を預かり、保護費全額を渡さず、一部だけを月2回男性が自由に使える口座に振り込んでいた。専門家は「保護費を公的団体ではなく、権限がない第三者が預かる運用は通常あり得ない」と指摘する。(小松田健一)
自民党の最大派閥・安倍派(清和政策研究会)が、政治資金パーティーを裏金づくりに利用していた疑惑で東京地検特捜部の捜査が進んでいる。この問題で、地検への告発を続けてきた神戸学院大の上脇博之教授が本紙の取材に応じた。政治にカネがかかりすぎる現状の抜本的な見直しが必要だとして「政党助成金、企業献金、パーティーの全廃」と「政策本位で当選する仕組み」の実現を訴えた。(聞き手・望月衣塑子) 告発の契機は昨年11月の「しんぶん赤旗」の記事だった。2018年から20年までに、安倍派など5派閥の政治団体の政治資金収支報告書に計約2500万円の不記載があったと報道。これは、各業界がつくる政治団体のパーティー券購入などの支出を調べ、それと派閥の収入を一個一個照らし合わせないとだめで、かなり地道な作業だったはず。よくここまで調べたなと感心した。 この際に赤旗からコメントを求められたこともあり、18~21年の4年間
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く