産経新聞社のニュースサイト。政治、経済、国際、社会、スポーツ、エンタメ、災害情報などの速報記事と解説記事を掲載しています。
■何者かに脅かされている危機感反映 冷戦後の世界における衝突、対立を論ずる議論は概して、対立の原因を冷戦期のような「主義」にではなく、民族や家の宗教・宗派のような、先天的要素に帰する。ハンチントンの『文明の衝突』は代表例で、人はどういう生活空間に生まれ育ったかで衝突する、と考える。 こうした発想が厄介なのは、生まれ育ちが原因だから対立は解決不能だ、との結論に導かれがちなことだ。衝突が政策や経済対立から発生する、との視点は見られない。 9・11を契機に執筆された本書は、近代自由主義世界が反西洋思想によって攻撃されている、と認識する。ここでの反西洋主義は、西洋の物質主義、合理主義、都市性を、非人間性、魂のなさ、腐敗(西洋毒)として嫌い、精神性や信仰に重きを置く。 反西洋思想の起源は西洋内部にあり、地理上の非西洋が反西洋と同義ではない、との指摘は正しい。反西洋の代表例として挙げられる全体主義もイ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く