一部の暴徒が放った火で燃えた商業施設=20日午前、バンコク、葛谷晋吾撮影 【バンコク=矢野英基、武石英史郎】タイの治安当局によるタクシン元首相派の強制排除から一夜明けた20日朝、バンコク市内では暴徒化した市民による放火でショッピングセンターや銀行など少なくとも8カ所で新たな火災が起きている。行政当局などによると、犠牲者は増えており、19日の強制排除以来、死者は少なくとも14人、負傷者は90人近くにまでのぼる。 強制排除作戦が実施されたバンコクのラチャプラソン地区。元首相派支持者数千人が最後まで解散決定に反対の声を叫んでいた会場には20日朝、人の姿は見えない。しかし警察によると、周囲の建物に武装した支持者が隠れ、銃撃を続けている。また近くのパトゥムワナラム寺で数百人が夜を明かした。女性看護師、僧各1人を含む6人の遺体も残されている。 政府は19日、バンコクと地方23県に同夜8時から翌朝