春と秋に集中していた京都市内の観光客数は、閑散期のイベントや年間を通じた外国人観光客の増加により、季節による差は縮まってきている。ただ、最近のにぎわいは交通が便利な市街地と周辺の名所に偏り、郊外では知名度の高い観光地でも集客に頭を悩ませている。 市の2016年調査で日本人観光客に訪問エリアを聞いたところ、清水寺や祇園周辺が5割、嵯峨嵐山が3割近くを占めた。外国人には具体的な場所を聞いており、清水寺や二条城、金閣寺、伏見稲荷大社が上位に並んだ。一方、大原・八瀬は日本人調査で3・1%、高雄は1・6%にとどまる。いずれも知名度は高いが、外国人調査では上位25カ所に入らなかった。 「市内の中心の方で紅葉のライトアップが広まってから、高雄まで来る人が減った」。高雄保勝会の会長、山本信さん(67)はそう感じている。紅葉の名所、高雄でも05年秋からライトアップをしている。「一昨年は雨で人が少なかったが、