京都の街中に近く、アクセスが良い大文字山。「大」の文字の周辺からの眺望が人気だ=いずれも京都市左京区で 「五山送り火」で知られる京都市の大文字山(標高四六五メートル)で近年、遭難者が相次いでいる。京都の観光客増加や登山ブーム、軽装備で入る登山者が増えたことなどが要因とみられる。一時間ほどで登れる手軽さや眺望の良さが魅力だが、迷いやすい場所も多い油断大敵の低山だ。 (深世古峻一) 住宅街から程近い大文字山。山歩きを楽しむお年寄りやランニングウエアをまとった若者らに交じって登山道をしばらく登ると、正しいルートを示す赤い印があちこちの木の幹に示されている。分かりにくく、道を外れてしまいそうな所も目に付いた。登山を日課にする同市の無職男性(71)は「千回以上は登っているが、迷ったことが何度かある。山がいくつも連なっているので迷うと方向感覚が狂い、すぐに登山道へ戻れない」と打ち明ける。