日本銀行が量的・質的金融緩和の目標として いる消費者物価指数で見ると、消費増税の影響を除けばインフレはほと んど起きてない。しかし、人々の物価の実感は逆にじりじりと上昇して いる。そのギャップを埋める鍵は、値段を変えずにパッケージだけ変え て新商品を装い、量を減らした実質値上げにあるのかもしれない。 総務省が発表する消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI) は、2月に前年比2%上昇。増税の影響を除くベースでは、昨年4月に 前年比1.5%上昇とピークを付けた後、増税の影響による需要の落ち込 みや原油価格の大幅な下落もあって伸びが鈍化し、とうとう前年比ゼ ロ%に落ち込んだ。 しかし、日銀が2日発表した四半期に1度の生活意識に関するアン ケート調査では、1年前に比べ物価が何%変化したか聞いたところ、平 均値(極端な値を排除するため上下0.5%を除いて計算)は5.6%上昇と 前回調査(5.3%