慶應義塾大学(慶応大)は12月13日、東京大学、長崎大学の協力を得て、ピロリ菌由来のがんタンパク質「CagA」が「がん幹細胞」に注入されると、細胞内にCagAを溜め込み、安定的に存在することを証明したと発表した。 成果は、慶応大医学部 内科学(消化器)の鈴木秀和准教授、同・医学部 先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門の佐谷秀行教授、東大医学部 微生物学の畠山昌則教授、長崎大 熱帯医学研究所 細菌学分野の平山壽哉教授らの共同研究グループによるもの。研究の詳細な内容は、米国医学雑誌「Cell Host & Microbe」2012年12月号に掲載された。 胃がんは、日本では罹患率が非常に高く、部位別死亡数では2番目に多いがんだ。胃がんの重要な危険因子としてピロリ菌感染がある。ピロリ菌感染によって胃がんが発症する最も重要な要因といわれているのが、CagAというピロリ菌の産生する毒素の関与だ。 C