私のように皇室や王室、貴族の称号について多くを書いていると、当然のように尊皇家だと思う人が多く、実際、わりあい範囲が狭い「王室関係ブロガー」業界の人たちの多くは尊皇家であり、それがその業界から私が弾き飛ばされた理由である。 私は歴史的なトリビアとしてそういう話が好きではあるけれども、基本的に共和主義者なので、尊皇感情は希薄だからである。 今上の両陛下は心から尊敬している。しかしそれはおふたりのご人格ゆえであり、地位ゆえではない。同様の感情をたとえば昭和天皇とその皇后に対して抱くのは難しい。 今回の習近平特例会見事件で、理非を弁えぬ素朴な尊皇家が広範に存在することが明らかになった。 非常に危険な現象であると思う。 庶民がそれを持ったり、猶予としてそれを持つ分には構わないと思うが、指導者層までその虚構にはまるのは実に危険な現象だ。 明治維新を成し遂げた元勲たちのうち、誰が「尊皇感情」などを持っ